種、種運命短編作品庫

□シャイニングフラワー
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私の名前は
生まれた瞬間の朝日が
物凄く印象的で

父様は直ぐに決めたんだって






ガサッ
ゴソッ…


書斎の部屋を物色する


「ねぇ……もう止めようよ……?怒られるよっ…」

茶色の髪をした少年は、手を止め彼女の行動に異論を唱え始めた


「大丈夫だよっ!母様、忙しそうだもん…ちゃんと元に戻せば、見つからないって」

活発な少女は、そういって一つ一つ本やファイルを手にとって探す


「絶対この辺にあったんだって!!突っ立ってないで、探してよっソラっ!!」

そう彼女が言うと、ソラは仕方なさそうに近くの棚に目を凝らした


「……あれ……?ヒカリ……コレかも……」

ソラは不自然なファイルを一つ見つけた

その言葉に、ヒカリは慌てて傍による



少しだけ年代物のファイル

開くとディスクが一枚


それから、写真のアルバム



「あっ!!そうだよっ、これだよっ!!」


ヒカリはソラに抱きついて喜んだ


「う…んっ……良かった…」


ソラはその行動にドキマキしたが、純粋にヒカリが喜んでくれたので、ただ単純に嬉しくなった





以前、学校の宿題で父母の昔の写真を持ってくるように言われた

遺伝子科学の授業だったと思う


その時母親に頼んで、一度だけ貸してもらった


16歳の父と母の写真


幾つかの中から、母は選ぶように出した写真だった

ヒカリが気になったのは

その時の選ばなかった複数の写真の方



きっとそこには……


父と母が出会って、今自分が此処にいる


その理由が示されているのだと思ったから……



あの時貸して貰った写真は

オーブの指揮官服の母親と
ボディーガードとして隣に立つ父親


父は……母をこんな少年時代から守っていたんだ

きっと………


あの時はそう単純に思っただけだったのに……


 
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