種、種運命短編作品庫

□晴時々雷雲
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5月の休日は毎年オーブ本土に帰る


学校は創立記念で1週間休みになるし、ソラの父親とヒカリの母親の誕生日が有るから


衛星都市に移住して、学校生活を送っている二人は幼馴染みで従兄妹の関係



ソラ・ヒビキ13歳

ヒカリ・ヒビキ12歳



姓がヒビキなのは、素性を隠す為だ





「髪……染めようかな………休みだし……」

ソラはボソッと一言言う


「なんで?ソラの髪綺麗じゃない?勿体無いよっっ!!」

ヒカリは驚いて言う


(誰のせいだと思ってるんだ……)


ソラは溜め息をついた

今年から中等部に入ってきたヒカリは、長い髪を靡かせ知らぬ間に随分と女の子らしくなった



「おはよう、ソラくんっ、ヒカリちゃんっ」


「おはよっ」

「おはよう」


屈託なく笑うヒカリと、優しく笑みを浮かべるソラ

声をかけた生徒も思わず見惚れる


(気に入らない……)


自分はともかく、ヒカリに視線が集まるのは何だか嫌だ

ソラは思う



ヒカリがこの世に生を受けた時から、多分好きだった


ずっと隣にいたのは、きっとそれが理由



「今日、父様から通信が入るんだっっ!!」



嬉しそうに笑うヒカリ


だからだよ


「髪の毛………青くしてみたい……」



肩に擦れる髪の長さも

右から髪を分けるのも

君の父親の真似事




そう………

ソラのライバルは、ヒカリの父親



アスラン・ザラ



 
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