種、種運命短編作品庫

□ギフト
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9月の終わり

世界は停戦を迎え、俺はオーブに亡命することにした


名前が目立ち過ぎるため、新しい名前とIDをカガリに貰って……

世界と…今度は政治の世界で戦うカガリを、守っていこうと決めた

逃げずに
君を守ろうと思った



『アレックス・ディノ』

俺が君に貰った名前


だが………



「アスランっ、今日の会議の事なんだが……」



もう半年になるのに



決めた本人に
一番浸透していない……


「……代表……俺の名は……」


「あっ!!すまないっ!アレックス、アレックス…アレックス……復唱しないと何時までも覚えれそうにないな……とっさだとつい、アスランって呼びそうだ」

カガリはそう言って苦笑いをした



勿論……

二人きりの時は
本当の名前を呼んでほしいと想う気持ちはある


だけど……
日に日に忙しくなっていくカガリに、そんな事を言うのは女々しい気がして


言葉に詰まる



今は俺の事より国の事


理解しているつもりだ


まだきっと

俺達にはこれから
無限に時間があるのだから……


今は焦るべきではない


多分……
俺はそう心にストッパーをかけている



恋人だけど恋人じゃない



そんな曖昧な関係だって、未来を信じている内は耐えられるさ



だけど…

だけどな………


神様は俺を試しているのでしょうか?


此処は軍施設の宿舎

俺の部屋……だよな?


そうだよな????



そんな俺の部屋に

なんで彼女が


『国家元首のカガリ様』が


俺の部屋のシャワー室で

シャワーを浴びているのでしょうか?



ガラスから透けるシルエットに

俺は頭を抱えています


何なんだ!?


このオイシイ展開は!?
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