種、種運命短編作品庫

□ギフト
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そもそも……ここ一週間くらい、カガリと顔を会わせていない


彼女のボディーガードをしている俺は、カガリが一日中行政府で会議になると必然的にオフになるのだ


だから……
ここにいるはずがないのだ


常識的には



だからこそ

今の現状が、俺には理解出来ない







オーブに降りて暫くして、色々と現実を知ることになる

一番は俺自身が、この国についてろく知らないと言うこと


オーブが出来た歴史

今の国の現状

国の法律


俺は1から勉強をしなければならなかった


だが…不安などなかった


だって……

カガリが納めている国なんだ

キラが暮らしてきた国なんだ


自分に理解出来ない事が有るわけない




だが………

一瞬、頭を殴られたような衝撃をくらった


婚約者
婚約者
婚約者
婚約者


こんやくしゃ………?




『君の立場を考えれば…無くもない話だ』



良く言えるなっ!?

俺の口っ!!!!



カガリにその話を聞いたとき、俺はそう言ったが………

背中に変な汗が滲むのも解っていた


だが……口約束の婚約がどんなに曖昧なものか、自分で理解していたから……きっと心の奥では安心してる



余裕の態度を見せたかった



だが……

自分が婚約者を持つ女性を好きである事が、どんなに苦痛か

その身をもって初めて知る

心でどんなに叫んだか



理解出来ないぞっ!!オーブ首脳陣っ!!!
(カガリを覗いて)



ボディーガードを勤めているが、行政府の会議は入れない

中で起こっている事も、カガリの口から聞かなければ解らない


俺の恋人のハズの君は、そこで何をしているのか?

その『婚約者』とかいう奴と話をしているのか?

することが無くて

キラ達の所に遊びに行って

夕方に宿舎にもどって



グチャグチャになりそうな感情の中で

部屋のドアを今日もあける


すると

鼻に霞めるエンジンオイルの匂い……?


それに気付いたら


シャワールームで水の音



 
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