種、種運命短編作品庫
□華麗なる代表首長の一日
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自分は……そうそう簡単に動揺しない方だと思っていた
それは予想範囲内でたいていの事が起こるから、対処出来る訳で………
「アスラン………もう……終わりにしよう………」
ベッドの中でカガリにそう言われ、アスランは息を止めた
「………えっ………?」
情事後、おもむろに言われた言葉にアスランは動揺する
もう………終わり………?
俺達の関係がか………?
そりゃ、ユウナが他界して結婚の話もなくなって………我ながらズルいと思ってる
それでも、カガリの気持ちが自分にある以上、まだ周囲に認められない関係だと解っていても……やっていけると思っていたのに
「明日はボディーガードとして傍にいてくれ。明日のスケジュールだから」
「……ボディーガード………あの頃の関係に戻れって言うのか……?」
今更………
君の全てを知っている俺に……
「ああ、アスランにしか頼めないだろ?」
「そう…………カガリの気持ち……解ったよ……」
アスランはそう言って身支度を整える
「ああ、そうそうっ明日のスカンジナビアの皇子が……
バターンっっ!!!!
激しく扉を閉める音
「アスラン………?」
彼らしくなく、話の途中でドアを激しく閉めて出ていってしまった様子に、カガリは首を傾げた
「なんか……怒ってた?………もう一回くらいしたかったのかな………?」
でも、今日はもう終わりにして帰って貰わないと……
明日は朝から密着取材があるから、ベッドにアスランが寝てたらマズイんだよな……
まだ正式な婚約をしてる訳じゃないし……
スカンジナビアの皇子との婚約話もちゃんと断らないと……
出来ればちゃんとアスランを紹介して、納得してもらいたい
カガリの想いと裏腹に、アスランは別れを告げられたのだとスッカリ勘違いしているのだが……
そんな事は知るよしもないカガリであった