種、種運命短編作品庫

□華麗なる代表首長の一日
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「すみませんっ……カメラの角度はこれくらいで……」


朝食のひととき

何故か、口にする紅茶のフレイバーの種類まで決められる



「取材は、私の指示に従って頂きます。代表の私物等に勝手に触れたり、取材許可していない時にカメラを回すのもご遠慮頂きたい」


そう説明するのは、オーブ代表首長私設秘書兼ボディーガード


ゴーグルで顔を隠した藍色の髪の青年


名をアレックス・ディノ




(アスラン………?何だ、この気合の入り方は……)



カガリは紅茶を啜りながら横目で彼の顔を確認する


横一文字に閉ざされた唇

やはり怒っている様にも見える

しかし大きなゴーグルで顔をほぼ隠してしまっているから、そんな気がするだけで……決定打にはならない




「この後、08:00から養護施設の訪問になっています……ヘリを用意していますので、そちらにお移りください」


記者の女の子とカメラマンとスタッフ

三人にそう言って部屋の外に誘導し、アスランはパタンとドアを閉める


カガリも立ち上がり後をついていくつもりでドアノブに手をかけると……


「………?」


その手にアスランは自分の手を重ね………そして自分の胸にカガリを引き寄せた


フンワリとアスランに抱きしめられるカガリ


「………何だ?どうした……?」


突然抱きしめてきたりするのは……もう日課だし……今更ドキドキするほど自分はウブじゃない……

そう思ってアスランの顔を見上げる



「覚悟して………もう一度俺を好きにさせるから……」


「…………えっ………?」




いつもと何だか違うアスランに、カガリの心臓が一度だけ大きく跳ねた





 
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