種、種運命短編作品庫

□君のカタチ
1ページ/5ページ



「……カガリっ……食事、まだだろ?良かったら一緒にとらないか?」




どうかしてる……


ただ
『一緒に食事をしよう』
と誘ってるだけなのに………




どうしてこんなに緊張するのか………




「あぁっ、良いよ」


カガリはニッコリと微笑む

それだけの事なのに、心が暖かくなっていき、言い様のない嬉しさが込み上げる




どうしちゃったんだ…………俺!!?





隣合わせで食事をする俺達


黙々と食事をとるカガリを横目で確認しながら、俺は会話をする為の言葉を探す


戦闘以外の時間帯は、交代で休憩を取っているから……こんなチャンスは中々ない



チャンス………

チャンス………?



何の…………?






ふと見れば、カガリはウインナーをフォークにさしたまま何やら考え込んでいた


どうしたんだろう……?

彼女の一喜一憂が思っている以上に気になる


考えて見れば、彼女の身にも色んな事が起こっている

最愛の父親をあんなカタチで亡くして

ずっと仲間だったキラと、兄妹だったって知って……


兄妹………

姉弟…………?

解らないけど……



きょうだい…………


つまり……
文字どおりそれは
『恋人』
にはなり得ない事を示している訳で………

その事実に少なからず安心をしている自分が居たりするのだが……


安心……

安心………?


何故そう思うのか、理解が出来ずにいるのが今の現実



だけど……

ただ俺は……



こんな危機的状況でも

カガリには少しでも笑っていてほしい……とか

彼女の目指す世界を実現するために、力になりたい……とか



そんな事をずっと考えている気がする



最近…………



どこかで明確にしたいのかも知れない


君と俺の関係図のカタチ



 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ