種、種運命短編作品庫

□君のカタチ
2ページ/5ページ



「カガリ?……どうした?食べないのか?」

手を止めたままのカガリに俺は尋ねる


「え……あ……うっ?……………わあぁぁーっ!!」


カガリは突然物凄く驚いて、席を立ち上がった


俺……なんかしたか?

寧ろ何一つ気のきいた会話すらしていない

口下手な自分を恥じるくらいで、何一つ面白味もない俺に彼女は何故か驚く



「??……何だ?その反応は……」

恐る恐る聞いてみる


「い、いやっ……ごめんっ………別に何でもないんだっ……!」


顔を少し赤くしてカガリは首をフルフルとふった

でもどう見たってどこかおかしい

キラも……情緒不安定で倒れたし、カガリだってどこか無理をしているのかも……


「どこか具合でも悪いのか?」

俺は心配になってカガリにそう聞く


「ううん、大丈夫だっ!なんともない」

カガリはそう言って笑うけど……


「そうか……けど、宇宙(そら)での生活も長いからな……気をつけろ?」

「ああ!任せろっ」


彼女の言葉に不安を感じる

空元気とか……そんなんじゃないよな……?
そんな風に


表情を見ているだけじゃ理解しきれない、彼女の感情

そのカタチ



「あ、そろそろ戻らなくちゃ!!じゃあ、またなアスランっ!!」

そう言って席を立つカガリ

また……彼女を元気付ける言葉も言えないまま、時間だけをムダに過ごしてしまった



「カガリっ!!本当にっ……平気だよな?」

そう言うと彼女は振り向いて


「だいじょーぶーっ!!!」


そう言って彼女は笑った





どうかしてる………


どうしてこんなに彼女が気になるんだろう



仲間だから?

女の子だから?

キラのキョウダイだから?


その答えのカタチに辿り着けない



 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ