種、種運命短編作品庫

□プライベートジュエリー
1ページ/27ページ




貴女と初めて会った時


既に貴女の隣には彼がいました



貴女に好意を抱いている自分を知った時


既に貴女は彼と恋に落ちていました




それなのに

何故だろう



貴女に出会った事を

ヒトカケラも後悔していないのです




貴女に告げることのない

この想い

誰にも触れさせない

俺だけの宝石



触れてしまえば

それはガラスの玉の様に

砕け散ってしまうから








長きに渡った地球軍とプラントの戦争

ヤキン・ドゥーエ攻防戦をもって、双方はエターナル総指揮官ラクス・クラインの言葉に一時停戦する事になった


動かないデュエルとバスターを見上げる


そして、かつて自分が落とそうとずっと誓っていた足つき……アークエンジェルの格納庫に自分がいる事に、妙な違和感を感じた




「イザーク……クサナギに行ってみないか?」


そう声をかけてきたのはディアッカ


「クサナギ……?オーブの船か?」

そうイザークは聞き返す


「ああ、とりあえずまだ一日近くはこのコロニーから動かないみたいだしさ……あっちにはアスランもいるだろうから……」


長く続いた戦争


今はきっと……生き残った者達が、それぞれ身体を休め、次の時代を考える時なのだろう……


イザーク自身も考える時間が欲しかった



ジェネシスと言う恐ろしい兵器をついに使ってしまった評議会

そしてその中心に居たのが、アスランの父親や自分の母親


その責務を追われ、母は評議会に拘束されたらしい


すぐにでもプラントに戻り、現状把握をするべきなのは解っている

しかし……


今ようやく手に入れた、こうして話をする時間



未来に踏み出す為に必要だとも思った



 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ