種、種運命短編作品庫
□プライベートジュエリー
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貴女と初めて会った時
既に貴女の隣には彼がいました
貴女に好意を抱いている自分を知った時
既に貴女は彼と恋に落ちていました
それなのに
何故だろう
貴女に出会った事を
ヒトカケラも後悔していないのです
貴女に告げることのない
この想い
誰にも触れさせない
俺だけの宝石
触れてしまえば
それはガラスの玉の様に
砕け散ってしまうから
長きに渡った地球軍とプラントの戦争
ヤキン・ドゥーエ攻防戦をもって、双方はエターナル総指揮官ラクス・クラインの言葉に一時停戦する事になった
動かないデュエルとバスターを見上げる
そして、かつて自分が落とそうとずっと誓っていた足つき……アークエンジェルの格納庫に自分がいる事に、妙な違和感を感じた
「イザーク……クサナギに行ってみないか?」
そう声をかけてきたのはディアッカ
「クサナギ……?オーブの船か?」
そうイザークは聞き返す
「ああ、とりあえずまだ一日近くはこのコロニーから動かないみたいだしさ……あっちにはアスランもいるだろうから……」
長く続いた戦争
今はきっと……生き残った者達が、それぞれ身体を休め、次の時代を考える時なのだろう……
イザーク自身も考える時間が欲しかった
ジェネシスと言う恐ろしい兵器をついに使ってしまった評議会
そしてその中心に居たのが、アスランの父親や自分の母親
その責務を追われ、母は評議会に拘束されたらしい
すぐにでもプラントに戻り、現状把握をするべきなのは解っている
しかし……
今ようやく手に入れた、こうして話をする時間
未来に踏み出す為に必要だとも思った