種、種運命短編作品庫
□星空聖夜
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空を見上げると満天の星空
あの頃
君は皮肉めいた言葉で
『どうせあの星は、宇宙の残骸だろ』
と俺に言った
あの頃の俺達は、まだ大人になりきれてなくて……
傷付いた君を俺は黙って抱き締めるだけで精一杯
それが初めての
君と過ごしたクリスマスイブ
「しつこいっっ!!なんでこんな忙しい時期に、旅行になんか行かなくちゃならないんだっ!!」
目の前で繰り広げられる、カガリとユウナ・ロマ・セイランの会話
「仮にも婚約者にそれはないだろ?」
ユウナ・ロマの言葉に俺は少しだけ眉をあげる
「何れは僕らは夫婦になるんだ……国民だってそれを望んでいる」
「っっ……」
その言葉にカガリは言葉を濁す
「代表首長の華やかなニュースの一つくらいないと、国民は離れていってしまうよ?」
終戦から2ヶ月
確かに国も世界も安定を望んでいる
馬鹿みたいに気取る訳にはいかないが……堅い政治の話ばかりでは、国民は確かに政治離れしていくだろう
「とにかく、政治の中でもそうした演出も必要なんだ……解るだろ?君だって」
そうユウナ・ロマが切り出すと
「………オーブはキリスト教じゃない……」
膨れたカガリはそう言った