★庭園(ガーデン)★種、種運命本編軸長編
□ナチュラルフラワー
1ページ/20ページ
『これ以上の戦闘行為は、無意味と考え…』
果てしなく広い宇宙に、ラクス・クラインの声が響いた
停戦を合図する狼煙は、まるで花火でも見ているようで穏やかな気分だった
道を見失って、シンとルナマリアが抱き合って泣いている姿が、2年前の自分とカガリを見ているようで歯痒かった
そして……
ただ、君に会いたくなった
「私は、このままプラントに参りますわ」
ラクスはアッサリとそう言って微笑んだ
停戦後直ぐにプラントから要請があり、迎えに来たのはイザークの隊だった
今……指導者を失ったプラントに、ラクスが必要だと言うことは、その場にいた誰もが解っていた
でも……
彼女は運命ではなく、自分の意志で指導者の道にたどり着いた
その決意に俺は……彼女を尊敬した
「僕もプラントに行ってくるよ」
驚いたのはキラの言葉
「って言ってもラクスを送り届けて、落ち着いたらオーブに降りるけど……」
キラはそう言ってラクスをちらっと見て微笑んだ
「お前はどうするんだ…?」
痺れを切らした様にイザークが俺に聞いた
「ザフトは…お前とキラにそれ相応の椅子を用意している…当たり前だが、ラクス様を守った優秀な兵士だからな…」
よく言うよ
どうせお前が彼是手回ししたくせに……
そう思いながらも、そんな友人の心使いは嬉しかった
「有難う……イザーク……でも俺は、オーブに帰るよ……シン達を連れて行きたいんだ」
宇宙に再び上がると決めた時から、俺はそう決めていた
「今は……オーブの軍人……アスラン・ザラだから……」
迷いが無い訳じゃない………
ただ………
俺の帰る場所は其処だと思うから………