★庭園(ガーデン)★種、種運命本編軸長編

□ループ
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私がシンを知ったのはいつだっただろうか?



『ルナならザフトに入れるよっ』

『うん、運動神経良いしさ、頭もいいもん』



学校の友達にそう言われ、ザフトに入ることにした私

ザフトに入隊出来るって事は、選ばれた人間しかなし得ない事だから


そして貴方と出会った


アカデミーの門をくぐって、年の変わらない子供達がいる中で、彼は異様なオーラを放っていた


まるで………何もかも捨てたような瞳で


でも………その奥に燃えるような意思があって


いつも泣いてる様な



彼がオーブからの移住者だと誰かから聞いた

中立の国オーブは、先日の戦闘でザフトと地球軍の戦争を一時停止させた有名な国

私もその国のお姫様が、前線で戦ってたと言うニュースに憧れを抱いた

此方から話しかけても、返事や相槌で殆ど終わるくせに



『お前っ………オーブのカガリ・ユラ・アスハに憧れてるんだって………?』

『えっ!?あ…うんっ、スゴいよねっ彼女!』


嬉しかった

初めてのマトモな会話

それなのに



『最悪だな』



っ!?

今何て言った!?

ナニソレ?

私じゃ彼女の足下にも及ばないって言いたいの!?


終わった会話の後、私の中で彼の立ち位置が決まった



イヤな奴っ!!!



何も知らなかったあの頃


戦争の意味も

その悲しさも

ずっとグルグル繋がっているなんて全然知らなくて……


あの時……

シンが私に言った言葉の意味も

気付いたのはそれから二年もたった今


知らなかった……なんて

今更、物凄く恥ずかしくて



ごめんね……シン……





私の隣にはシンが居て


そして

貴方を抱き締めるのは私なの


其がこの上無く嬉しい


貴方の心の奥

今、私が触れるのは奇跡なんかじゃない







無数に飛び散る機体の残骸が、狼煙の光と共鳴してる


広い宇宙(そら)


私達は泣いて抱き合った



大丈夫

大丈夫だよ?


私意外と打たれ強いんだもん


シン一人くらいなら支えられる

支えてみせるから


泣いて

泣いていいよ……


それすら今は愛しいから


ねぇ………シン




 
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