★庭園(ガーデン)★種、種運命本編軸長編

□アルカディア
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夢の中で

僕はいつも沢山の屍の上に立っていて

足元には

知っている顔があって


気持ちが悪くなって



それで目が覚める




怖い

怖い

怖い


誰か…………


気分が悪い

吐きそうだ………

何時もの様にベッドの上で座り込む

眠りたく無くなる



「大丈夫……もう大丈夫ですよ………」


フワリと彼女は僕を包み込む様に抱き締める


「くっ……う……う…………」


涙が流れる

夢が怖くて泣いているのか

彼女が優しすぎて泣いているのか

解らないけど…………






何時からかな…?


強くなろうって

強くなりたいって、決めたのに

彼女の隣では嘘はつけない



アスランの前では信じてもらえる様に

カガリの前では頼もしく見てもらえる様に



嘘の自分を塗っていく



君の前だけだった

剥がれた弱い自分を思い知るのは


君はいつから知っていたのかな?

僕の心の底にある闇を




そうだったね

初めてあった時から、君は君だった




『でも、それは貴方だからでしょう?』



君に成り行きで優しくした僕に、君はそう言ったね

あの時………君の海の様な優しさに、何故気付かなかったのかな


きっと……君が笑わなくなったら


世界は終わるんだ


痛めた心を、簡単には触れさせてくれない君だから

それはとても小さなシグナルで


僕は……すぐに気付いてあげられなかった




本当の君は


君は……………誰………?



『私はラクス・クラインですわ………キラ・ヤマト……』



それだけしか

あの時の僕は知らなかったんだ




 
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