★庭園(ガーデン)★種、種運命本編軸長編
□プリズムフラワー
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5月8日
アラスカ、都市ジョシア
六年前のサイクロプスの影響で
『死の街』
と言われた場所
様々な国の協力で、漸く草木が生えるようになり、今日は平和記念式典が行われていた
歌姫ラクス・クラインの歌声に各国の要人達が酔いしれている中で………
「アスラン………顔がオカシイ………」
親友のキラにそう指摘される
「………どういう顔をしたら良いのか解らないんだ……」
アスランは顔をひくつかせた
話は数時間前に戻る
ようやく託つけた、先伸ばしになっていたカガリとの婚約
彼女の隣に立つ……その力と地位を手に入れたアスランは、ようやく政府や市民を納得させるだけの業績をあげた
それが自分の力だけではない事に歯痒い気持ちもあるが……
だから……
婚約をキチンとして
日を改めキチンとした形で式を挙げる
意外と拘っているのはアスランの方で……
だから
まさか……
『子供が出来たから結婚してくれ』
よもやカガリから、そんな爆弾を落されるとは夢にも思わず……
「男としての俺の立場はどうなるんだ……?」
先にプロポーズされてしまったと受け取れば、随分格好の悪い話だ
聞けば彼女は式も挙げたくないと言う
世界情勢がまだ混乱している今、私事で大それたパーティーなど開きたくない
そんな金があるなら、貧困に苦しむ人達に使いたい
そんな風に言われてしまえば、
『そうか。解った』
と二つ返事してしまうのがアスラン・ザラ
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