★庭園(ガーデン)★種、種運命本編軸長編
□フラワーガーデン
第6章『鎖ーくさりー』
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過去……
それはいつだって
自分を縛る鎖なのだ
彼がそうであるように
第6章・鎖〜くさり〜
『なら貴方は……どうして本物アスランを殺さない……?』
カガリ・ユラ・アスハを殺そうとした私に、彼は掴みかかりそう言った
『父親を恨んで……コーディネーターを恨んで……ずっとコーディネーターを殺してきたのに………何故……殺さない……?』
あのアスラン・ザラに成り代わった青年は、記憶を貰った私にそう聞いた
何という事か
彼は既にその女に執着している
『アイツが……カガリを……ナチュラルを愛したからか?』
『違う……』
何故なら、そんな人間きっといくらでもいたのだから
『気まぐれだ……良いじゃないか?自分が何者なのかも解らず、君に忠誠を誓い生きていく彼は、滑稽だろう?』
お前はそれを望んでいたじゃないか?
『そうして彼の全てを君が奪えるのだから』
そう……
きっとこれは
きまぐれなのだ
『言い残す事があるのか……?』
あの日……
火傷をおって瀕死の状態だった彼
記憶を奪って、命も奪うつもりだった
だが……
掠れる様な小さな声で
彼は言ったのだ
『俺は………カガリ………と………』
過去の記憶の鎖
なにもそれは
彼等だけでなく
自分にも絡み付いている
.