種、種運命パロディ作品庫

□お隣同士《早朝編》
1ページ/3ページ

まだ物心つくか、つかないかの口約束



貴方は覚えているだろうか?



『カガリは僕のお嫁さんになってね?』

『うんっ、良いぞっ』



10年ごしに、そんな言葉を真に受けて……今日も変わらない毎日を過ごしている



「シンっ!!いい加減にしろっ!!私まで遅刻しちゃうじゃないかっ!!」

私はいつまでも寝ているシンに苛立ち、ベッドに向かって怒鳴る

「ぅう〜ん……もうちょっと……あんまり寝てないんだよっ…」



布団で踞る彼はシン
同じ中3で私の幼馴染みだ

「昨夜って、キラ兄と遅くまでゲームやってるからだろっ!?自業自得だっ」


現に実兄のキラも布団の中だ

私は溜め息をついた





トントンっ


ふとシンの部屋のドアを誰かがノックした


振り向くと

「カガリ……いいよ?ほっとこう……」



そう言って彼は優しく微笑む



彼はアスラン
シンの実兄で、私の二歳年上の高校2年生

小さい頃から知ってるけど、実兄と同級生なのに大人っぽい



私の初恋で
今も続行中



「……おっ…おはようっ……アス兄…」



いけないっ

声が裏返ったかも




ドキドキする気持ちを知られないように、見上げて精一杯微笑む


「あぁ、おはよう」


アス兄はそう言って微笑む




「シンもキラも起きないし……途中まで一緒に行こうか?学校…」

「えっ……うんっ……」




今日はついてるっっ


アス兄と二人きりで登校出来るなんて



寝坊してるシンとキラ兄にちゃっかり感謝して……


一緒に通学路を歩く


この何気ない時間が
私は大好きなんだ




 
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ