種、種運命パロディ作品庫

□大人になる方法
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小学五年生と三年生の差……

初めて意識したのは結局、そのせいだったのかもしれない




「今日の保健体育の授業は、かなり凄かったね」

キラの言葉にアスランは溜め息をつく


「あのなぁ……性教育ってのはしごく当然に受けなくてはならないし、人間が生物である以上、性行為は子孫を残す為の……

「あー……いい、聞きたくないっ……アスランの話はめんどくさいもん」

そう言って耳を塞ぐキラ

どうして同じ授業を受けたのに、こうもニアンスが違うのか?

キラや他の男子達の大半は「いやらしい事」だとか「エッチな事」だとかそっちばかりの話だ


「なんかねー、ジョルジュの家にお父さんのエッチなDVDがあるらしくって、今日みんなで見に行こうってさ」

「お前ら……楽しいの?」

アスランは呆れた顔をする


「アスランがおかしいんだよっ、好きな子も居ないから……」

そうキラが言いかけた時


「キラ兄〜っ、アス兄〜っ!!」


窓の外から自分達を呼ぶ声


「カガリー?今から体育なの?」

そう窓から顔を出したキラがカガリにそう聞く


「うんっっ!ドッチボールなんだっっ」

そうしてまんべんの笑みをうかべる


「転ぶなよー」

アスランがそう声をかけると

「転ばないよっ!!私、運動神経いいんだからなっっ」

カガリは少し膨れっ面でそう返す


「嘘だよ、最後まで当たるなよ」

「任しとけっ」

そう言って手を振るカガリに微笑みがこぼれる



「あー……解った……好きな子が居ないんじゃなくて、女の子的対象になってないんだ……アスランの場合」


その様子を見ていたキラは、アスランに聞こえない小さな声でそう呟くのだった




 
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