種、種運命パロディ作品庫

□君しか見えない
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「俺と結婚するつもりがあるなら、付き合ってほしい」



驚いた


世の中に

こんなセリフを


出会ったその日に言う人がいるなんて






一流会社の商社マンとの合コン

同僚のフレイに誘われて、参加はしたものの……何だか場違いな気がするとカガリは思っていた


「ヒビキさんは合コン初めて?」


隣に座っていた青年がカガリに尋ねる


「ううん……大分前に一度……でもかってが解らないから、慣れなくって……」

カガリがそう言うと、青年はふっと優しく微笑んだ


「そうなんだ……俺は皆もほら、あんな感じだし……」


そうして視線を移せば、男達は各々盛り上がっていて


「合コンにはしょっちゅう借り出されるから、慣れちゃったけどね……」


そうしてグラスに入ったカクテルを飲み干す


「軽蔑した……?」


彼はカガリの顔を覗きこんだ


「イヤ、環境がそうなら仕方ないんじゃないか?」


「そう言ってくれると嬉しいよ……」


そう言うと彼は目を細めた




「ねぇ、良かったら合コンの後、飲みなおさないか?」


携帯のメールアドレスを交換するほど打ち解けた頃、青年アスランはそう言った


「良いけど……私、同居だから門限あるからな」


これは牽制の言葉

だいたいこう言うと、男の方は一歩引く


だけど


「俺もっ……あんまり遅く帰ると母親の目が痛い」


意外な言葉が帰ってきて、カガリが目を白黒させる



「じゃあ11時まで」



「うん………」



それが彼との出会い




 
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