種、種運命パロディ作品庫

□君しか見えない
2ページ/25ページ



『もう、俺達友達に戻ろっか……』



言われた瞬間、涙があふれた


自分は思ってる以上に彼が好きだったみたいだ


友達の延長で付き合い始めた彼

自然と男と女の関係になったけど……

自分は……このままいつか結婚して、子供を持って……なんて漠然と考えてたんだけど………


彼は違ったみたいだ



『お前とは友達の方が楽だった……だから、前の関係に戻ろうよ?』


『………解った……でも……私はまだ好きだから…………憶えておいてね………』



忘れたい

一度恋人になった人とまた友達の関係に戻るなんて……そんな簡単じゃないよ……







「カガリっ!!今晩の合コン決定!!」


事情を一部始終知っているフレイがセッティングした合コン


「引き摺ってる別れた恋人を忘れるには、新しい出会いでしょっ!!」


そりゃ確かに解ってる……

閉じ籠っていてもしょうがないって



羽目を外して……合コンで意気投合した青年、アスランと二軒、三軒飲み歩いた


それで………



「………あれ……………?」



見慣れない天井

綺麗な部屋(しかも鏡貼り)




そして………

ベッドで裸の自分



(きっ記憶がないっ………私っっ……)



顔面蒼白




「あぁ、カガリ……起きた?今、朝ごはん頼んだから、起こそうと思ったんだ」

そう声をかけたのはやっぱり……彼


アスラン・ザラ



(私っっ……お酒の勢いで……ヤっちゃった………?)



青い顔の私に彼は近付く


「気分……悪い?」


そうして彼はカガリを覗き込む


「いっ……イヤ……平気だっ……」

そう一言言って、シーツで露になっていた胸を隠す


彼はそっと更に近付き、額にそっと口付けをした


「シャワー浴びて、洋服着ておいで……服はクリーニングしてあるから……」


「はっ………はい………」



思い出してしまった

この彼の唇の感触………


覚えてる………

乱れた自分………


カガリは顔を真っ赤にしてバスローブを着ると、素早くバスルームに駆け込むのだった




 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ