種、種運命パロディ作品庫

□ラヴコンタクト
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一年前、突然の事故で父が他界した


俺と四歳の弟シン、そして都内の有名ホテルで働く母親の三人は、父が残した僅かな蓄えを切り崩しながら生活をする


贅沢はできないけど、それなりの暮らしをしているわけだが……




「えっ……?夜勤?」


夕飯のハンバーグを口にする瞬間、母レノアの話に手を止めた


「うん、そうなの……急にスタッフの子が辞める事になっちゃってね……火曜日と金曜日だけ、夜勤務に入ってくれないかって支配人が……」


申し訳なさそうに話す母に、俺は笑った


「構わないよ?シンも大分、話解る様になったし……保育園に迎えに行って、夕飯たべさせて……寝かせればいいんだよね?」


その言葉に母は顔をぱぁっと明るくさせて……


「そう?新しくスタッフを補充して、シフトを組み直すまでの間だけでいいから……えっと役2ヶ月かしら?お願い出来る?」


「うん……て言うか、もっと頼ってくれていいんだよ?母さん」

俺がそう言うと、母は俺の首に抱きつき……


「有難うっ!!アスランっ」


そうして喜ぶのだった



「シンもお兄ちゃんの言う事ちゃんと聞いてね」


そう話を振られ、ハンバーグを頬張りながら

「うんっっ、オレ、おにいちゃんのいうこときくよ」

シンはニッコリと微笑む


「えらい、えらいっ」


母はそう言って、シンの頭を撫でるのだった




 
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