種、種運命パロディ作品庫
□コスモスロード
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何時ものようにすれ違ったあの川沿い道は
秋になると一面コスモスが綺麗だった
儚くて、華やかだけど……どことなく寂しくて
俺は………
いつもそんな風に彼女を見ていたんだ
名前も知らない
ただ、自分とは反対方向に道を歩く彼女
たまに同じ時間にすれ違うから、なんとなく顔見知りで……
知っている事と言えば
川向こうのオーブ女学院の制服だから、その学校に通っているんだと言う事
いつもスポーツバックを提げているから、多分何か部活動をしているって事
だからあの日もなんの気なくすれ違って
そう……
そんな時
夕日が金の髪にかかると、その光は嘘みたいに綺麗で……
彼女が顔を一瞬上げた時
涙でいっぱいだった
それは胸を打つ衝撃
学校帰り、たまに友人とその道を歩く彼女は、屈託なく笑う事が多くて……
だから………
あんな風に、人目も気にせず涙を流す彼女から、目が離せなかった
どうして泣いていたんだろう………?
そう気になり出したら、彼女の顔を見れなくなった