種、種運命パロディ作品庫
□コスモスロード
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毎日………
川向こうから彼女が歩いて来るのが解ると、俺は知らず知らずに顔を背けた
また泣いていたら………
そう思うと、顔を上げる事が出来なくて……
ただ………
妙に高鳴る心拍の音
すれ違い様、相手に聞こえてしまいそうなくらい激しく脈を打つ
その胸の高鳴りは、彼女との距離が離れれば離れるほど正常に戻り………
俺は………
ふと立ち止まって
振り返るんだ
彼女は振り返りもせず、川向こうにどんどんと姿を消していく
そんな姿を目を細めて見送る日々
俺は………
知らず知らずに彼女に恋をしていた
キミと初めて話したのは……
夏の熱い日だった
キミと最後に話したのは
涼しくなった秋の夕暮れだった
『ごめんね…………』
一滴の涙を流し、俺の横を横切った彼女
別れを告げられた、あの日のコスモスの色が………
今でも忘れられない
傷付けた
俺が先走り過ぎて……
泣かせて
どうしてもっと大切に出来なかった……?
あの日の出来事をずっとやり直したくて…………
あれから6年も経ったのに、忘れられないでいる