種、種運命パロディ作品庫

□スロースノーレター
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心も身体も冷たい『雪』には


どんな『花』も色をくれませんでした


ただ……その花だけが


『私の白い色でいいのなら』



そう言って、その白い花弁の色を『雪』にくれました



だからこそ『雪』は

冬に咲くその『白い花』をずっと守り続けるのです

ずっと……

ずっと……













「さっむーい……雪降りそうっ……」


外の景色を眺めながら、フレイは身体をブルブル震わせる


「この学校、暖房器具弱いよね」


そう言うのはミリアリア

二人とも高校で知り合ったカガリの友達だ


「雪………」

カガリは薄暗く曇った空をみて、目を細める


「そう言えば、二丁目の交差点っまた事故があったんだって」


フレイの言葉にカガリはビクッとした


「あそこ、凍りやすいのかスリップ事故ホントに多いよね」

そう言うミリアリアに

「何年か前に男の子が跳ねられたでしょ?確か、カガリの家の方じゃなかった?」

フレイはカガリに尋ねる


「ごっ……ごめんっ……よく知らな……


「ねぇ……退いてくれる?邪魔なんだけど………」


その時、話を折る彼の声



碧の瞳で冷たくコチラを見下ろす

そそくさとフレイが身体を避けたら、彼は鞄を片手に教室を出ていった


「何あれ!?感じワルーイっっ!!」


彼が居なくなった途端、フレイは怒りだす


「フレイっ、そんな粗か様に……」

宥めようとするミリアリア


「だって!!アイツっ、顔は良いけど性格最悪よねっ!!」


「まぁ……確かに人付き合いは良くないわね……アスラン・ザラ……」

そう言うミリアリアの言葉

だけど………



違う………

アレは庇ってくれてるんだ………




それは……私だけが知っている真実



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