種、種運命パロディ作品庫
□クローバー〜オンリーハピネス〜
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『まさか、自分が父親になる日が来るなんて思ってなかった……』
彼女の弟がそう言っていたけど……
自分だって、そんな日が来るとは思ってなかった
「馬鹿者がっっ!!」
ゴッッ!!!
殴られた左頬
多分……口のなかが切れて、血の味がする
アスランは殴った相手……自分の実父パトリックをジッと見つめた
「お前はどれだけ私の顔に泥を塗る気だっ!!クラインの娘との縁談を破談させて、今度は何処の馬の骨とも解らない娘と子供が出来たから結婚させてほしい…だと!?」
予想通りのパトリックの言葉
「馬鹿も休み休み言うなっ!!!」
そう罵声を浴びられても……アスランには譲る事ができなくて
「何を言われても、俺は諦める訳にはいきませんっ……俺は父親になるんだから……」
床に手をついてはアスランは頭を下げる
その様子にいたたまれないパトリック
「お前は騙されているんだっ!!そんな一時の感情で将来を決めてどうする!!手切れ金でも渡して、関係を断絶するんだ、アスランっ!!」
「父上っっ!!!」
その言葉にアスランは眉をつり上げた
「旦那様っっ、お止めくださいっっ」
みかねたメイド達がそう言って二人の間に立つ
「……………」
引き離されたアスランは、パトリックをじっと見つめた
「だいたい彼方の親は何て言ってるんだ?どうせ玉の輿だと喜ぶ様な親なんだろうっ」
馬鹿にしたようなパトリックの言葉
アスランは唇を噛んだ
「……彼女の両親は……もう二人とも他界されています……先日、彼女の父親の葬儀に俺も同席させてもらいました……」
アスランの言葉に、パトリックは息を飲んだ
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