種、種運命パロディ作品庫

□お隣同士《君の隣》
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カガリが生まれた日の事は随分小さな頃なのに良く覚えている


『あらあら、頼もしいお兄さんが2人も居てカガリは幸せね』


生まれたばかりの隣の女の子は、俺の指をぎゅっとにぎりかえした




この子は俺が守る



初めて自分で自分に約束した誓いかもしれない



可愛くて

可愛くて


どんな女の子より特別で……


いつか『隣りのお兄さん』ではなく『男』だと意識してほしいって願いながら


大事に育ててきた心








それはキッカケだった




『キスして………』


そう言ったカガリが夢みたいで


夢ならいっそ


この気持ちが伝わればいいと





考えてみれば


カガリの様子がおかしい事くらい直ぐに気付くべきだった


こんな

『キスして』

なんて何かなきゃ言うわけないんだ







そうだ……昨日


偶然カガリが告白されている所をみた


正直あせった


カガリの事を女として意識してる奴が居るんだって身近ではじめて感じた瞬間


こんなの俺にとって今までで一番の衝撃で……




とられたくない……

離れていかないで………



君の隣はずっと俺だけのモノ


その感情をこれ以上抑え込むなんて……もう無理だ


毎日

毎日

綺麗になっていくカガリをこんな風に見てきて




どうして平静でいられる?




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