盲音の第一譜歌
□フィーネ 〜終わり〜
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ダアト港につくなり、ピンクの髪を揺らしてアリエッタが駆け寄ってきた。
「ミツキーっ」
アターック! と言わんばかりに飛び込んできたアリエッタを受け止めた。
「おお、アリエッタ! 元気そうだな」
「はいです。ミツキ、おかえりなさいです!」
「いつまでくっついてんのさ」
と、シンクの不機嫌な声がした。しっかり仮面を装備している。
「おおシン君。大きくなったなぁ」
ナデナデと緑の髪をなでたら、アッシュほどではないがあまりいい反応しなかった。
「子供扱いはやめてよね」
「九つも下のくせに……なぁアッシュ」
今まで黙っていた赤毛の気配に美月はちゃんと気づいていた。
「ただいま」
「……ああ」
「何だそれ、師匠が帰ってきたらもうちょっとこう嬉しそうにできないかね」
「ミツキはアリエッタの先生です!」
「ちょっと待ってよアリエッタ。アリエッタのじゃないって」
「うるせぇ! 俺が最初に弟子になったんだ!」
「……弟子をとった覚えはないんだけれど……」
これから敵対すると思うと、少しつらいぐらい、彼らはやさしかった。
どうして、みんな行き違ってしまったのだろう。
いや、『生き違って』しまうのか。