盲音の第二譜歌

□タルタロスの歌 〜舟歌より〜
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 こんにちは。ミツキです。
 タルタロスへ連行されました☆

 船室に連れて行かれ、美月以外はゲームと同じような配置についた。ミツキは壁際の椅

子にちょこんと座っていた。

「私はマルクト軍第三師団所属、ジェイド・カーティス大佐です」

「ローレライ教団導師イオンです」

「同じくローレライ教団神託の盾騎士団導師守護役所属、アニス・タトリンです」

 長い。長すぎる。あれ、このやり取り前にもしたような……まぁいいや。

 美月が考え込んでいると話は進んでいた。

「……第七音素の超振動はキムラスカ・ランバルディア王国王都方面から発生。マルクト帝国領土タタル渓谷にて収束しました。超振動の発生源があなた方なら、不正に国境を越え侵入してきたことになりますね」

 よくできました。

 こんな長いセリフをスラスラ言える子安さんを尊敬します。

 ルークは一体何者ですか、という話になり、身分を明かす。そしてティアは事故の釈明をした。

「今回の件は私の第七音素とルークの第七音素が超振動を引き起こしただけです。ファブレ公爵家によるマルクトへの敵対行動ではありません」

「ティアの言うとおりだぞー、事故だ事故」

「ミツキの言う通りだと思いますよ」

 イオンがジェイドを納得させてくれた。

「ふむ……で、ミツキ」

「なんだ?」

「あなた、なんでこんなところに」

「私は傭兵だぞ。旅人だぞ。次の就職口を探してこの辺を歩いていたら、辻馬車の料金をぼったくりされている健気な少年少女に出会い、大人として保護しただけだ」

「大佐、ミツキの言うとおりです。彼女は私たちを助けてくれました」

「ふむ……事情はわかりました」

 そして話は勅命の件になる。

「我々はマルクト帝国ピオニー九世陛下の勅命によって、キムラスカ王国へ向かっています」

 世界がマジやばで、戦争を止めるために彼らが動いていて、協力を頼まれた。

「協力してほしいんなら、詳しい話をしてくれればいいだろ」

「それは無理だぞ、ルーク」

 ミツキがそう口をはさんだ。ルークは「んでだよ」と振り仰ぐ。

「よーく考えてみろい。勅命ってことは、マジやばな命令ってことだ。うっかりマジやばな情報を、敵国の王子であるルークにしゃべったら、後で彼らはクビ。彼らにとってもギリギリの賭けなんだ」

「ことは国家機密です。ですからその前に決心を促しているのですよ。どうかよろしくお願いします」

 そしてジェイドは去っていく……はずだった。

 とことこと気配が近寄ってきたので、美月は驚いた。目の前に手を差し出される気配がした。

「あなたにはお話があります。一緒に来てもらえますか?」

 ミツキが答える前に、手を取って立つよう促す。逆らう理由もないので、ジェイドに連れられて行った。
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