盲音の第二譜歌

□ソプラノ 〜女の戦い〜
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 キムラスカに到着してすぐに、セシル少将と…誰だっけ…とにかく軍のお偉いさんに出会った。

「お初にお目にかかります。キムラスカ・ランバルディア王国軍、第一師団団長のゴールドバークです。この度はご無事のご帰国、おめでとうございます」

 あそうそう、ゴールドバークさんだ。何度かお会いしたなぁ、たまにインゴベルト陛下の話し相手したから、その時に。

「ごくろう」

「ミツキ殿におかれましては、陛下よりルーク様の保護を厚く感謝しているとのご伝言です」

 あー、感謝されちゃってるよ。

 ティア達が「国王と面識あるの!?」という顔をしたが、小さくうなずくだけにしておく。ジェイドが意味ありげな視線を送ってきた(気配がした)ので、ミツキは内心ため息をついたが前に進み出た。

「マルクト帝国から、和平の使者がおいでだ。ローレライ教団導師イオン様と、マルクト皇帝ピオニー九世陛下の名代、ジェイド・カーティス大佐だ」

 ジェイドの名前に誰もが驚いた。そりゃそうだ、あの死霊使いだもん。

 美月が紹介すると、イオンが前に進み出た。

「ローレライ教団導師イオンです。マルクト帝国皇帝ピオニー陛下に請われ、親書をお持ちしました。国王インゴベルト六世陛下にお取次ぎ願えますか?」

「無論です。皆様のことはこのセシル将軍が責任を持って城にお連れします」

 ミツキに気づいて意味ありげな顔をしていたセシルだったが、美月がうなづくと前に進み出た。

「セシル少将であります。よろしくお願いいたします」

 ガイが挨拶して(その時ガイが驚いていたがスルー)、ティア、アニス、ジェイドとなった。

「では、ルーク様は私どもバチカル守備隊とご自宅へ……」

「待ってくれ!」

 ルークが待ったをかけた。

「俺がイオンから伯父上への取り次ぎを頼まれたんだ。俺が城へ連れて行く!」

 イオンが喜び、ミツキも優しい笑みを浮かべていた。

「ルーク、見直したわ。あなたも自分の責任をきちんと理解しているのね」

「べ、別にそんなんじゃ……人との約束は守れって、習ったから……」

「ミツキが二年前に教えたこと、守ってんだな」

 そして港を後にした。
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