give&take

□ぎゅっとして?
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「ゾロ、おれいやだ。」
…………………はぁ?

ルフィの突然の一言に、その場にいた全員の声が揃った。


「…いったい、何が嫌なのよ?ルフィ」
朝食の最中、自分の分をものの1分かそこらで食べ終わった後、その場で仁王立ちになり、ゾロに指を差しながら言い放ったルフィにナミが問いかける。

「何がいやって?…お前だ!ナミっ!!」
ビシッと勢いよく、今度はナミに指を向けたルフィにまたもや頭をひねらす。
「わたしが…何よ?」
「昨日、ゾロと抱き合ってただろ!!ゾロはおれのだっ!!」

ブフッッ

勢いよく口の中のものを吐き出したのは誰だったのか。
ひとまずナミはテーブルの上の物が全て食べれなくなってしまったのを横目で見ながら、ルフィに話を聞き始めた。




ルフィが昨日、昼寝から目を覚ますとみかんの木がある方から声が聞こえた。
丁度小腹も空いていたので様子を見ようと腕を伸ばして登ったところ……ナミとゾロが抱き合っていた、というのだ。

「…ああ、あれ……」
「あん時か」
「んなななな、ナミすわん?まさか、あなたが、寄りにもよって、この、クソマリモと……!?」
何でか身に覚えがあるような2人に今度はサンジが騒ぎだす。
「いやいやいや、そんな事よか、おれはルフィの“おれのもの宣言”の方が気になるぜ…」
若干顔色の悪いウソップにたたみ掛けるようにルフィが言い放った。
「ずりぃぞ、ナミ!おれだってゾロにギュってして貰いてぇ!!」

ゴンっと今度は大きな音がして、にわかにその音の出どころにみんなの視線が集まる。

そこにはテーブルに頭を打ち付けたまま動かないゾロの姿があった。
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