Hiyori
□倭国で一番皇子様
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倭国で一番皇子様
朝廷のだだっ広い廊下を、書物を持ち一人で歩く一人の男、冠位5位の小野妹子だ。
そして先ほどからその妹子の後ろを誰かがついていく。
「妹子〜。」
まさかとは思うが、かの有名な聖徳太子だ。
「妹子〜妹子〜。」
妹子は脳裏で考える、振り向けばきっと仕事に戻れないであろうから、このまま無視してしまおうか、と。
「い〜も〜こ〜」
「・・・・・・。」
「いーもーこーーーー・・・・!」
名を何回も連呼されるが振り向かない妹子。
「・・・いもーー・・・・・・・。」
それでも振り向かない。
「・・・・妹子のばーかっ!アホのボケナス毒妹子ーーーーーー!!!」
とうとう痺れを切らした妹子が歩くのをやめ、太子の方に向く。
「・・・・さっきっから何なんですか?太子。」
妹子が反応してくれたことによって顔をほころばせる太子。
「あのな、今日は一緒にピクニックに行くでおま!」
それを聞いて深くため息をつき、喋りだす妹子。
「何言ってんですか、まだ仕事が残ってます!てゆうかこれあんたがやらない分が僕に回ってきたや
つなんですよ!」
そう言って両手に抱えている書物の山を見せる。
「う、うるさいわ!私は摂政だから仕事はしなくていいんだよっ!」
「はぁ・・・また馬子さんに馬子キッス(黒)されますよ?」
「そ、それは嫌だが・・・・・と、とにかく早く準備するんだ!日が暮れてしまうではないか!さっさとおにぎりでもつくらんかい!」
「嫌ですよ、太子一人で行ってください」
「うるさーい!早くせんと妹子村つくって住人を全員馬にするぞ!」
「チクショーこの人変なところで権力を振りかざしてくる・・・」
とうとう妹子が折れたようで、手に持つ巻物等を近くの部屋の棚に置く。
「・・・・はぁ、しょうがないですね・・・あまり遠くには行きませんからね」
「いぇーい!!やったぁ!ふっふーい!!ざまーみろ〜」
「そ・の・か・わ・り!!!今日の仕事、明日一緒にやってもらいますからね!」
「しょうがないな、私の摂政スーパーテクノロジー←?で5分で片付けてやるわ!!」
そういいながらるんるん気分で飛び跳ねる太子。