小説置場

□逃がさないわよ。一生そばにいてもらうわ。
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わたしはあなたの虜



でもあなただって今にきっと私に夢中になるわ



「私あなたが好きなの、だから私を彼女にして」



これで何度目の告白になるだろうか。


真っ赤な髪にブルーグレーの大きな瞳を輝かせ、彼女フレイ・アルスターは意中の相手に愛を告白する。



しかし相手の答えは



「ごめんね。無理。」



断られてしまった。



相手の名はキラ・ヤマト。フレイより十歳年上の二十五歳のはとこだ。



彼女は物心付いた時からずっと彼に憧れ今までに何度も彼を誘惑してみたりしたのだが全て失敗に終わっている。



「どうして」



「どうしてって、前にも言ったけど僕達年離れすぎでしょ。それに君はまだ高校生じゃないか。」



「愛に年の差なんて関係ないわ。」



台詞はくさいが大真面目だ。



「君たち女子高生から見たら僕なんてオジサンだと思うけど」



キラだって十歳下のはとこが可愛くなくてこんな事を言っている訳じゃない。 どちらかと言えば素直で可愛い彼女には好意を抱いている。しかし世間体を考えると、やはり断わざるを得ない。


「私は諦めないわよ。もっと良い女になって、絶対にあなたをメロメロにさせてみせるだから!」



そう捨て台詞を吐きフレイはキラの前から去って行った。



それから二日後。
事態は思わぬ方向に進んでしまった。



なんとフレイがキラの婚約者になってしまったのだ。


もちろんフレイが自分の父親に頼んでの事だった。



「さあ、キラ。これで私から逃げられなくなったわよ」



そこまで本気だったとは。不覚にもキラはまんまと彼女の思惑にのせられてしまった。



こうなれば両手をあげて降参するしかない。



「・・わかったよ。まったく君には適わないな」



「今更わかったの。でももう遅いわよ。今まで私をぞんざいにした分おもいっきり相手をしてもらうわ。覚悟しなさい」



こうも威張られると一体どちらが年上なのか分からなくなる。



「お手柔らかに」




そう答えるしかなかった。








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