短話ーミジカイ ハナシー


□赤の本音
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「土方さァん」

ニヤニヤ笑う顔立ちは爽やかな青年は、鋭い眼光と真っ黒な髪の毛を持つ青年を、呼び止めた。

「…なんだ、総悟…?」

恐る恐るという風に、土方と呼ばれた青年は、鋭いはずの眼光にほんの少し翳りをさして、総悟と呼んだ今もなお、ニヤニヤと笑っている青年の方へと振り向いた。

「土方さん、実は……。」

ニヤニヤとしていた顔を真面目な顔に戻してから総悟と呼ばれた青年は真剣な声音で喋り始めた。

「な…んだ?どうした、総悟…?」

「俺ァ、今まで…土方さんには、たくさん迷惑をかけて来たと思いやす。」

「あ゛?…あ、あぁ……。どうしたんだ?総悟。悪ィもんでも『だから』って、おい。聞けよ。」

「土方さんに、これをあげまさァ。俺の気持ちでィ。有り難く受け取って下せィ。」

「あ…あぁ……。」

ガサリと手渡されたものは、

「…ーーーーってこれ菊じゃねーかァァアッ!!何だ?俺に死ねってか?おい、上等だ、コラッ!!よーし、刀を抜けェッ!!!」

「………はァ。五月蠅ェですねィ。土方コノヤロー。たかが菊ぐれェで、ガタガタ言わねェで下せェ。みっともねェ。何ですかィ?あァ、アレですかィ?盛りのついてネコ。ならさっさと死んで向こうで盛っときなせェ。」

「………ッこのS皇子ィッ!!」

「うっせェ。ちょっとは黙ったらどうでィ。このドMの変態ヤローが。」

「いや、違うからァアッ!!ちょっと、勝手に決めるの止めてくれるッ!!!?ってか、赤い菊なんざよくテメェ見つけたなァッ?!」

「……まァ、赤なら土方コノヤローの汚い血が飛び散っても目立たないかなァと思いy『いやいや、俺殺す気満々ンンンッ??!』……そんなの、」

ニッコリと笑って総悟は言う。
心なしか安心した様に。

「当たり前でさァー。」


Fin
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