短話ーミジカイ ハナシー


□温かい日差しの中で。
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ある日の昼下がり、

「あれ?マーモン、何食ってんの?」
「見て分からないかぃ?」
「質問に質問で返すなよ。王子が質問してんの。
何、食べてんの?」

たまたま通りかかったベルがマーモンに聞いた。
テラスで本を読んでいたマーモンは突然の来客に少し溜め息を吐きながら質問に答えた。

「……ケーキ。さっきルッスーリアが買って来たんだよ。」

それを聞きながらベルはマーモンの向かいの席に腰を下ろした。

「へ〜、で?」
「何さ?」

まだ何か有るのかぃ?とでも言う風にマーモンはベルを見た。

「王子の分は?」
「………は?」
「いや、だから王子の分は?」
「知らないよ。ルッスに貰って来たらどうだぃ?」

そう言いながらマーモンはケーキを一口食べた。

「うわ〜、何それ。王子に対する嫌味?」
「…別に。」

そう言いながらマーモンは本に目を落とした。
目の前でベルが王子もケーキ欲しいー、と文句を言っていた。
しかし、マーモンはベルなんか無視して本に没頭しようと思い本に書かれてある文章を目でおった。
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