企画部屋

□※純情ワンコと酔っ払い
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どんっ

ガチャガチャガチャッ

「おい修吾〜っ」

「あ!溝山さんお帰りなさい!」

家主に呼ばれ、川田は遊んでいたテレビゲームを中断し玄関へと走る。

玄関には、身を屈め靴を脱いでいる、上背のある男。

その赤の混じった茶色の頭髪に向かい、川田は話しかける。

「溝山さんお疲れ様ですっ」

「修吾。」

「ははいっ」

「お前はいつも可愛いなぁ。」

「は!?」

意味不明な溝山の台詞に目を丸くしている川田に、目の座った溝山がぐぐぐっと迫る。

相当酒を飲んでいるのだろう。アルコールの匂いが鼻につく。

後ずさった川田を追いかけ、溝山がその体を抱き込み、肩口に顔を埋めた。

唇で首筋をくすぐられ、川田がびくりと身を竦める。
何が起きているのか、良く理解出来ない。

「修吾ぉ。」

「は、はい…?」

「ん…」

溝山が、川田の肩口に押し付けた頭を、まるで擦り寄せるように動かす。

こ、これは何だ…?!

猫が甘えるような溝山の仕草に、川田が顔も体も緊張に強ばらせ冷や汗を流す。

溝山の髭が首筋を擦る感触が、チクチクとくすぐったかった。

「んっみ、溝山さん…っくすぐったいっすよ…っはは…っ」


「あー?じゃあもっとしてやる。」

「はははっちっチクチクする〜っ」

溝山が川田の頬にまで顎を擦り付け、くすぐったさに川田が声を上げて笑う。

暫くそうしてじゃれた後、徐に溝山が川田の唇に親指を這わせた。

「溝山さ…」

不思議そうに見上げてきた川田に、そのまま唇を重ねる。

「ん…」

重ね、唇の表面が合わさるだけの口付け。

普段の激しく貪るようなものとは全く違う、まさに自分が最初思い描いていた男女交際における正しいキスのような口付けに、川田の心臓は却ってバクンバクンと盛大に脈打った。

とうとうそれ以上キスを発展させる事無く離された溝山の唇は、今度川田の顔中に軽快な音を立ててキスの雨を降らせ始める。
たまらず、川田が叫んだ。

「みっ溝山さんどうしたんすか!?」

驚愕に目を見開き真っ赤に染まった川田の顔を、溝山が平素よりも半眼の度合いを増した目で真正面から見据える。


「別にどうもしねぇよ。」

「おわぁっ」

尋ねた途端に肩に担ぎ上げられ、川田がとっさに溝山の広い背にしがみつく。

その高さと状況に、川田が悲鳴をあげた。

「みみみみみみっ溝山さん!?」

「可愛がってやるぜ、修吾。」


語尾にハートマークが付きそうなテンションで言い放った溝山が、己の肩に掛かっている川田の臀部にジーンズの生地ごしに口付ける。

予想だに出来ない異質な状況に、とうとう悲鳴すら上げられず川田は固まってしまった。





【純情ワンコと酔っ払い】





ベッドの上へと優しく下ろされ、川田は硬直したまま溝山を見上げた。

その川田の腹の横に膝を付き跨いだ溝山が、身に纏ったスーツを脱ぎ始める。
ジャケットを放り、ネクタイを抜き取り、ベルトを外す。

「あ…」

その後川田に覆い被さり、溝山は震えるその首筋に舌を這わせながら己のシャツのボタンを外していった。

「あっあっわ…っ」

自分の前を寛げ終わると、続いて川田が着ている赤色のシャツを鎖骨下まで押し上げる。

溝山が露出された桃色の乳首を舌先で愛撫し始め、川田がぴくりと身を跳ねさせた。

「なあ、ここ好きか?修吾。」

「…っえ…?」

「俺はいじるの好きだけどなぁ、お前の乳首。ピンクで、小さくて。女のより可愛いぜ。」

「おおおおおお女!?乳首!?何!?」

言われた言葉のあまりの内容に、川田が目を見開き溝山を凝視する。

溝山は至って真顔で、川田はここに来て自分が相手にしているものの正体を明確に悟った。


どうしよう、酔っ払いだ…!


「み、溝山さんっ今日は止めてもう寝ましょうよ…!酔ってますよ…!」
「あー?いいじゃねえか別に。俺は酔っててもちゃんと起つぞ。もうギンギンだオラ、責任とれ。」

「どおおっ」

確認させるように、溝山が川田の股間に既に起立し布を押し上げているものを押し付ける。
赤くなるどころか、川田は逆に真っ青になった。

確かに、溝山の性器は既に臨戦態勢だった。

「みっ溝山さん!今日はやめた方が…!」

「お前が俺を煽るから悪ぃんだろうが。」

「おおっ俺っそんなこと…!」

スルリ、混乱している川田のジーンズと下着をズリ下ろし、その身を反転させ臀部を高く上げさせる。
ちゅ、と、溝山がその張りのある尻タブに口付けた。
片方を、空いた手で揉みしだく。

川田が頭を抱えて唸った。

「わああああっ溝山さん何してんすか!」

「弾力があって本当に良いケツだ。お前にぴったりだな。」

「何言ってるんすかぁああ!あ!?」

顔を真っ赤にし暴れだしそうな川田を抑えつけ、好き勝手に舐めたり甘く噛み跡を残した後。



 
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