Book

□不思議の国の修吾くん
1ページ/2ページ

「少年と白兎」






「わ〜っ可愛いこの服!」

「ちょ待て、待って!何!?何なんだこの格好?!」

ある暖かい日の昼下がり。
修吾が妹の美優ちゃんと大きな木の木陰で休んでいると。

スタスタスタ

目の前を、つるつるの頭から白く可愛らしいウサギの耳を生やした瞭毅(東堂)さんが通過していきました。

「…………な、何だあの生き物…」

まあ可愛らしいウサギさん。待ってー、どこへ行くの?
好奇心旺盛な修吾は瞭毅さんの後を追いかけます。

「えっ追いかけないよ俺!?あんな怖いもの関わりたくねぇよ!てか立場的に追いかけるのは美優だろ!?」


「急げ急げ、遅刻だ遅刻だー(棒読み)」

瞭毅さんは何だかとっても急いでいるようです。首からぶら下げた懐中時計を何度も確認しています。

修吾がいくら走っても追いつけません。

「えっだってあんな普通に歩いてんのに…」

やがて瞭毅さんは木の根に開いた大きな穴にたどり着き、ぴょんとその中へ飛び込みました。

「………こ、これ不思議の国のってより、となりのトト」

どん!

「わぁああああーーーーっ」

待ってぇウサギさん!


ウサギに続き、修吾も真っ暗な穴に飛び込みました。





next→「うさぎの穴に落ちて」

 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ