シリーズ

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『良い格好だな彰宏。女装した強面パイパン男子高校生のハメ撮りなんてそうはないぞ。』

『へ…?』

画面の中では、ピンク頭の男が、何故かセーラー服を来た男を後ろから抱き抱えるようにして体を弄っている。
そして画面の近くから聞こえるこの低い声は、飛鳥兄ちゃんの声だ。
何故セーラー服の人物が男だと分かるかというと、もう見た感じ女には絶対に見えないゴツさだし、無惨に剃られてしまった陰部にはちゃんとモノが無修正でばっちり映ってるしってか

『ひ…っ!?嫌だ圭人撮られてる…っ!』

『ん、だからしっかり良い声で鳴けよ。いつもどーりで充分じゃん。』

『嫌だって!飛鳥兄ちゃんっ俺こんなの…っ』

どう見ても圭人な人物に縋る、どう見ても俺でしかない人物。しかも五香春女子のブレザー。

これあん時のおおおおお!!

呆然とした顔の英造さんが俺を振り返る。
マズイ!

「え……これ……お前ら……?」

「こっこれは……コラだ」

「は?」

何としても誤魔化さねば俺の今後はない。
ポカンと俺に振り向いた英造さんに、極力真面目な顔をする。
その間にもテレビからはとんでもない音と映像が流れ続けっぱなしだ。

ひいい、頭痛ええええ

「何つーものを作ってるんだ、圭人と飛鳥兄ちゃん……。いくら俺に嫌がらせするのが好きだからって、さすがに頭おかしいっすよね」

参ったなと深刻に呟きながら、自然な動作でテレビを消しにかかる。英造さんは何も言わない。
よしよし、もうちょっとだ。あと二歩、よーし、もう電源スイッチまで手が30cm……!

『んっあっ、はあっもっ勘弁してくれ…っああっ』

『んー?どうすっかなぁ、お前がどうしてもって言うなら止めてやってもいいよ、あっきぃ』

あわああああっこっからはマジで酷かった気がする!はよ消さな!はよ消さな!

酷い内容に画面を見ていなくても脂汗が浮く。
もう少し!というところで首に何かがっしりしたモノが纏わり付き、そのまま後ろに引き倒された。
後ろに座り込んで、倒れた俺を受け止めるように固定しているのは勿論英造さんだ。
え!!

「はよ消さな……っ」

「お前これホンモンだろ?いやー、お前真顔で嘘吐くなんて芸当出来んだな、うっかり騙されるとこだったぞー」

「う、嘘じゃな……っ」

淡々と喋る英造さんに押さえ付けられ、じたばたともがく。
やばい嘘だとバレていた……!
焦る俺の聴覚と視覚は、無情に流れる動画を嫌でも知らしめてくる。
画面の中、とうとう俺が飛鳥兄ちゃんの黒いベッドに突き飛ばされた。やべえやべえやべえやべえ!

「うわわわわわ!わっむううーー!」

「はいはいちょっと黙ってような。……うわすっげぇ、お前らこんなことやってんのかよ……」

せめて叫んで音を誤魔化そうとしたが、英造さんに空いた手で口を塞がれてしまいくぐもった悲鳴しか漏れない。
圭人と俺がごちゃごちゃやり取りをしているのが映し出され、そして。

『っは、は…っあきっひろのぉ…っ』

『ん?』

『ぐちょぐちょのケツマ〇コ、けぇくんとっ飛鳥兄ちゃんのっおっきいので、は…っグチャグチャに、掻き回して…っ』

「何だこれお前らゲイビでも作って売り出す気かよ!?こんなひくくらいの台詞、今時中々言わなねーぞ!」

俺の口を塞いだまま、英造さんがぎゃははははと笑う。
もうこのまま気絶してえ、誰か俺を殺してくれ

「うっお……」

散々笑っていた英造さんが、急に声のトーンを落とす。画面では、圭人のモノを突っ込まれた俺が、真っ赤な顔を涙でぐちゃぐちゃにして悲鳴を上げていた。
ベッドの上にひっくり返されて足を広げさせられている俺のケツに、圭人のモノがぶっ刺さり出し入れされているのが実に良く撮れている。

嘘だろ何これ、飛鳥兄ちゃんこんなもの撮影してたのかよ……!

あまりの映像に頭痛や胃痛を通り越し吐き気がしてくる。
画面はひきで泣かされ揺さぶられてる俺の全身が映ったり、段々ズームになって圭人の赤黒く凶悪なブツが出し入れされてる俺の穴が映ったり、結構アングル変わったりと何か妙に手が込んでいる。

『けぇ君だめっ俺っ変…っあっあっけぇ君…っ』

『彰宏っ俺も…っ』

『ひあああっあっ』

圭人の動きが速くなり、俺のこれまた気持ち悪い悲鳴が響く。

モウダメダロコレ

『やあっあっひっもっ出るっあっあ───っ』

『うっくぅう…っ』

「はあ……っなあマジで?彰宏こうされんの好きなの?気持ち良さそうだもんなぁ……」

ん?

気分が悪いままに英造さんに押さえ付けられぐったりしていたが、何だか異様になってきた空気に意識を取り戻す。
頭の後ろから荒い息遣い、背中に当たってる、硬いもの。

ちょ、ちょっと待ってくれ……

「え、英造さん?」

「なあ、お前も変な気分なってこねえ?こんなん見せられてさ、したくなってくるだろ……」

 
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