シリーズ

□黒に染まる1
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続いて、桜澤の下衣を性急な動作でずり下げる。

「ん、ふ…っいいっすよ、そのまま入れて…っ」

亨の性器と桜澤の舌、その間には粘液質の糸。

少年は煽られるように腰を押し出した。
ぐちゅんっと水音を立て、その性器が桜澤のアナルに飲み込まれる。

桜澤が歓喜の矯声を上げた。

「あっひぁあ…っ」

「あっ何だこれ…っすげ、いい…っ」

挿入した少年が、桜澤の内部の快感に堪えきれず、その細い腰を鷲掴み己の腰を性急に振り始める。

それを目だけで見て笑んだ桜澤が、再び亨の雄に舌を絡めた。

「っう、あっくぅ…っ!!」

桜澤の尻に挿入していた少年が、快感に喘ぎ身を震わせる。
既に果ててしまったらしい。

「んぅ…っはぁあ…」

桜澤が絶妙のタイミングで身を震わせ、吐息を漏らす。

その頬は上気し、うっすらと朱に染まっている。
唾液と亨の先走りとで濡れた己の唇を舐める、赤い舌。

とろけるように潤んだ漆黒の瞳が、己の接合部に向けられていた。

その光景を見て、堪らなかったのは亨だ。

「カズシ、どけ…!」


未だに桜澤の腰を掴み呆けているカズシを、強引に押し退ける。

四つ這いでいた桜澤を仰向けに地面に押し倒し、学生服のズボンと下着を剥ぎ取った。

足を大きく開かせれば、小さく口を開き赤い肉を覗かせたアナルが、ヒクヒクと収縮ししているのが見える。

限界まで高ぶった性器を、一気に穴にぶち込んだ。

「はあっあああっ」

背を仰け反らせ、桜澤が喘ぐ。
その性器はゆるく立ち上がっていた。


「っくぅ…っ」

濡れた熱い肉が、蠢き、絡み付き、攣縮する。

まるで亨のものを飲み込む為に在るかのような、其れほどの具合の良さだ。

少し腰を動かしただけで、下手をすれば達してしまいそうになる。
歯を食いしばり耐えた。

「っは…っね、動いて…」

その亨の状況を知ってか知らずか。
桜澤が潤んだ目で強請り、亨の腰に脚を絡め、更に深くに引き込むように身を押し付けてきた。

増した締め付けに、亨の額に汗が浮く。

快感と困惑に、軽く目眩を覚えた。
何なんだこいつは、こんな淫乱、女でも知らねぇ───
こんな、総てを呑み込まれそうな快感も。


「っやってやるよ…っ」

振り切るように、腰を大きく前後に振る。
引けば内部の肉が惜しむように絡み付き、突き入れれば歓迎するように奥へと引き込む。

理性を飛ばし、獣のように息を荒げている亨の凶器を受け入れているにも拘わらず、桜澤は身を震わせ快感に喘いでいる。

「あっあ…っいい…っもっと…っ」

少年のあどけなさが残ってはいるが、桜澤の容姿は凛としていて男らしい。

が、その顔が快楽に染まる様は、酷く淫らで、そして───


その場に居るものが、何も行動を起こせず凝視するだけになる程、妖艶だった。

低い喘ぎ声にすら、際限なく煽られる。


現に亨は、完全に夢中になり周囲の存在を失念していた。

静寂の中、響くのは二人の荒い呼吸と喘ぎ声、肌と肌とがぶつかる乾いた音。

「ひあああっあ、あ、あ…っ」

桜澤が身じろぐ毎に、亨の雄を飲み込んだ肛門の括約筋が締まる。

絞るように締め付けてくる桜澤の内部に、もう亨の陰茎は限界まで血をたぎらせていた。

「は、く…!!出る…っあっ出すぞ…!」

「っああ…っあ…っ俺も…っ」

亨がしがみつくように桜澤を抱き締め、二度三度びくっと腰を跳ねさせ吐精した。

ビクビクと身を震わせる亨の肩に手を乗せ、桜澤は小さく喘ぎながら呼吸を整えている。


「…っマジかよ…、俺もう立ち過ぎて痛ぇよ…っ」


「俺も…っなあ、次行っていいだろ?」

「ふざけんな、俺だ!」

行為を食い入るように見ていた少年達が、亨が果てたのを機に騒ぎ始める。

未だに口を手で押さえ固まっている吉村の存在は、完全に忘れられていた。


───その時。

残りの少年達が騒いでいるそこに、突如強烈な一筋の光が当てられた。


「誰だ!お前らそこで何をしてる!!」

逆光の二人連れのシルエット。それは───


「やべぇ警察だ!!」

「えっマジかよ!?亨さん…!」


「っは、散るぞ。」



亨が桜澤から身を剥がすように起き上がり、身なりを整え指示を出す。

仲間の少年達が各々四方へと走り出す。


少し遅れて立ち上がった桜澤は、

「わー!吉村すまん!ちょっとそっち向いてて!」

と、顔を真っ赤にして慌ててズボンを履いていた。

「…」


亨は桜澤に話しかけようとしたが、警察がもうそこまで来ていた為結局無言で駆け出した。



 
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