シリーズ

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圭人のレクチャーが始まる。
何か圭人の割にまともな事言ってる。和浩も真剣に頷いているし、今後の為に俺も聞いておこう。

「体はなるべくくっつけたまま、体撫でながらまずは上、ブラから外す。まあこれは別に絶対の順番じゃないけどね。無理して服の上からホック外さなくていいから、体撫でるついでに探って外せ。背中にホック無きゃ前、谷間にあるからな。」

流石経験者の描写は生々しい。
何だか、今本当に自分が女の子とそんなことしてる感じになってきた。

啄むようなキスから、ディープキスへ。
その間に彼女の服の中へゆっくりと手を滑らせて、滑らかな肌を撫でながらブラジャーを外す。
柔らかな膨らみを優しく揉みながら、

「膝ぐらいからそっと手を置いて、ゆっくり太股を撫でながら手をスカートの中に入れるだろ…」

ゆっくりと内股を撫でられて、ゾワリと体が震える。
ツクンと、中が疼く。

あ、そっから先は…っ

「ここ、欲しくなってきただろ…?」

低く甘い声、熱い吐息が耳にかかりゾクリと震えた。
ズボン越しに肛門を押されて、体が跳ねる。

「やっん…っけっと…っ」




うっすらと開けた視界、目の前に座る、和浩の唖然と口を開けた顔。



は?


はあああ!!


「バババババっ馬鹿圭人!何やってんだ!!」

「まあこんな感じ、食っても良いよサインが分かんない時は実力で持ち込んでね〜」

「は、はあ。」

「ちょっ圭人…!?」

わけも分からず唖然と返事をする和浩にレクチャーを続けながら、圭人は俺を後ろから羽交い締めにする。
後ろに座る圭人に手を押さえられて、身動きがとれない。
やべえ、俺さっきのでちょい半勃ちなんですが…
いくら緩いジャージを履いているからとはいえ、和浩にバレる可能性は低くない。
やべぇ!そんなん俺ダサすぎる…!

「さて、和浩。さっきお前の兄ちゃんから「ヤッて良いよサイン」がだだ漏れだったわけだが、気付けたかな?」

「はあ!?んなワケねえだろ!おい放せよ!!」

「な、何となく…」

「は!?」

顔を赤くしてコクリと頷く和浩。
お前何言ってるんだ、お前の兄ちゃんはそんなサインちらっとも出してませんよちらっとも!
つかヤッて良いよサインて何。それはそもそも女の子から出るって話じゃ…


「よし、じゃあ実地訓練でいくか。大丈夫だぜ和浩?お前の兄ちゃん超経験豊富だからさぁ、気が済むまで教えてもらえよ。」

耳元で笑い混じりに言われたその言葉。
何言ってんだよ俺はだから童貞だって。
お前に空前絶後のチャンスを潰されてから、彼女すら居ないの知ってるだろ…?

もう兄貴の威厳とか言ってらんねぇ。
誤解は早めに解かなければ、後でもっと大恥をかく。

「ちょ、和浩、悪いけど俺、実は…」

「だろうね。アキ兄、さっきすげぇヤらしい顔してたし…」

目前に迫った和浩の目の色が変わっている。
なんつーか、ギラついている。そして俺はこの目をよく知っている。

まさか、そんなアホな…!

「和浩!お前もう部屋に帰れ…っうんうっ」

和浩の顔が急激にドアップになり、口に噛みつかれたような衝撃。
直ぐにぬるぬるとしたものが口の中に侵入してきた。
これはっまさか…!

「んっんんっん…!」

シャツを捲られ、和浩の手が俺の胸や腹を這い回る。
これじゃ、これじゃあまるで…!

「っふはっ和浩!お前っまさか俺で練習する気か…!?」

「え?うん。」

ひいいいいーーーー!?


サラッと頷くんじゃない!

くそっ圭人の力が強くて腕解けねぇ…!

「だってさ。アッキー、可愛い弟のためじゃん?協力してやれよ。」

こ、この…っ

この悪魔ぁあああ!

「馬鹿言ってんじゃねえ!男同士で兄弟だぞ!?こんなことして良いと思ってんのか!?」

怒鳴り和浩を睨み上げれば、流石にびびったのか少したじろいだ。
うう、怒鳴ってごめん和浩…!
しかし分かってくれ、兄ちゃんにはお前に真っ当な道を歩ませる責任があるんだ…!

「良いんじゃん別に。俺のダチで弟喰っちゃった姉とかいるよ?妊娠とかない分、男同士のが問題ないんじゃなーい。そもそもこれ和浩の練習だし。」

背後から圭人の暢気な声。
俺は甘かった。そうだ、今俺を羽交い締めにしているのは人間世界のモラルが通じない悪魔様だった。
自分が楽しければ他の奴の行く末なんかどうだっていいんだ、自分以外のその他は全て自分を楽しませる為にあるんだこいつにとって。

「だよな!ほらアキ兄、大丈夫だって!」

目を輝かせてないで何が大丈夫なのか手短に説明してみなさい。
お兄ちゃんはダメな事しか考えつかないよ、本当にマジで勘弁してください我が弟。


 
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