ノベル

□電車(微エロ)
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ガタン…

ガタンゴトン…

……くっ
全く…
何故俺がこんな庶民の効率の悪い乗り物で移動せねばならんのだ…

元はと言えばこの凡骨が「2人っきりで電車に乗ってどっか行きたいぜ」
などと駄々をこねるから…

今はもはや終電間近になり、この車両には俺達だけで、静かすぎる位だが

さっきはひどかった…
凡骨に言わせれば「こんなの空いてる方」だったらしいが…

ガタン…

ゴトン…

電車の暖房が暖かくて心地良い
寝てしまいそうだ

凡骨はとっくに寝ていて俺にもたれかかってきていたが

「オイ…おい凡骨」

だが起こさねば

「あっ…んぁ?」

「…貴様は次で降りるはずだろう」

「あっ!や、やべ!サンキュー起こしてくれて」

……………

『次は―次は―……』

もう着いてしまう…

「……んじゃ、またな…」

凡骨が席を立つ

今まで隣に座っていた凡骨が立っただけで、急に孤独が襲ってきた

どうしたというのだ

独りには十分過ぎる程慣れているはずだ

ひとりになるのだ

凡骨が帰れば…


俺は何を思ったのか

気づいたら凡骨の服の裾をつかんでいた

「………!」


ガラガラガラ…ピシャ
『発車します』


「…………」
「………」

ガタンゴトン…

「…どーしてくれんだよ?」
「ウルサイ」
「家に帰れなくなっちまったじゃん」
「黙れ凡骨」
「責任取ってくれんのかよ」
そう言いながらも、凡骨の声は明るかった


「海馬」

普段よりも色気を帯びた凡骨の声が、近くで聞こえる

妙に顔ばかりが熱いのは、きっと車内の暖房のせいじゃない


ちゅ…

ちゅ ちゅ

ちゅっ ちゅ ちゅ…

「ン…っ」
舌と舌だけを絡め合わせ
他に誰もいないのをいい事に
夢中になっていた

「ぁ……っ」
丁度キスのせいで体が敏感になり始めてしまった頃
凡骨の手が、シャツの裾から入り込んでくる

「ゃ……よせ」
「よさない」

わき腹や胸の辺りを弄られ、首筋にキスをたくさんされる

「ぅ…ン……」

何も痛いことをされていないから
素直に気持ちいい

ピチャッピチャ

「ぁ!」

それまで首筋でキスをしてた凡骨が、いきなり凄い舌使いで舐めだした

「ゃ、ャ、ヤメ…ぁあ」
とうに首筋は弱いと知っているんだ

抵抗したいのに
体が熱く震え言うことをきかない

さらに一番弱い耳を…
「あぁ…ソコはぁあ…!」
「ここは…?」
「イヤッ…」
「嫌?」

ピチャピチャピチャピチャ

「あッあッ!はぁぁん」

これ以上されたら、体がおかしくなってしまいそうで、ドンドンと凡骨の胸を叩いたら、さすがにやめてくれた

「顔、真っ赤だぜ」
「…ウルサイ…」
ヒヒ、とからかうように笑う

「次の駅で降りても十分間に合うぞ」
「いーよ、外寒いじゃん」
「……?何を言って」

ぎゅ

「!」
手を繋いできた

「お前んちの近くになったら起こして」

…………

降りるまでこのままと言うことか?

暖房のせいで少し暑いのに、俺はなぜかその手を離せずにいた


少ししたら、凡骨が俺の方にもたれてきて
寝ているのかと思っていたら

『好きだ』


耳元で笑いながら囁いた


フン
さっきの続きは屋敷で相手してやろう

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