ノベル

□Last Dinosaur(えろ)
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『海馬、明日、卒業式だぞ!?』

『仕事だ』

『卒業式なんだぞ!!』

『俺には関係ない』

『お前が来なきゃ・・・!!』

『貴様にはお友達がいるだろう』

『・・・・・ッ』

『言い返す言葉もないか』

『とにかく絶対、来いよ…!!お前が来なきゃ・・・!!』

『・・・フン』

---LAST DINOSAUR---

―――1月20日…
「うーっ、さっみいー!」
「手袋をせんからだ、馬鹿者」
「お前もしてねーじゃん」
「・・・・・・・・・・・・今日は忘れたのだ」

・・・・・
あ、わかったぞ

ぎゅっ

「!!」
「手、つなぎたいんだろ!」
「ちッ違うわあああ!!」
て反論しながら、顔がめちゃくちゃ真っ赤になっている
なんだかんだで離さないし

「へへへ」
「…ふんっ」
「なあ、海馬v」
「なんだ?」
「5日後、何の日か覚えてるか!?」
「ハッ、忘れたな」
「オイ…!」
「フン…遅刻するなよ?」
やっぱ覚えててくれたのかv

「1時に、時計台の下な!」
「…貴様は、必ず遅刻してくるだろう」
「わ、悪いって!!」
「俺は常に5分前には到着しているぞ」
「うっ…く、次は遅刻しねーって!」
「たまには・・・・」
「え・・・」
「・・・俺を待っている貴様を見たい」

―――――――!!!!
頑張る!!!俺!!!!!

「絶対!!絶対10分前に来る!!」
「本当だろうな」
「本当!!」

寂しそうな海馬の顔が
なんだかすごく愛おしかったから



―――そして1月25日・・・

腕時計は、まだ12時45分を指していた
時計台はもう目の前だ
余裕じゃねえか!やったぜ!!

「城之内ぃ!!」
「え」
「城之内くん!」

杏子や遊戯やみんなに、声をかけられた

「なんだよみんな揃って…」
「なにって、アンタ今日誕生日じゃない」
「みんなで城之内くんの誕生日プレゼント買いに行ってきた所だったんだよ!」

そ、そうなのか…!なんか照れるぜ

「はい、僕からはこれ!」
「アタシは〜・・・」
「うわ、みんなサンキューな!!」

みんなが、誕生日おめでとう、とか、なんか俺を祝ってくれる
へへ、なんかみんなにこうやって祝われるのって嬉しいな…

その時
ハッ、と俺は待ち合わせの時間を思い出した
「やっべぇ!!」
「え、何!!??」
「今何時何分・・・・」
「12時55分だけど」
「うわあああ!!やっべぇ、急…

目の前でばったりと
今丁度時計台に来た海馬と、鉢合わせた

「かい…」
「俺を待つのでは無かったのか」
「あ、のこれは…」
「お友達とたわむれるのがそんなに楽しいか」
「違う、海馬、」
プルルル・・・
「俺だ。今すぐ迎えの車をよこせ。至急だ」
「え、かい、」
すると、すぐに黒のハイヤーが海馬の前に現れて、海馬はそれに乗ろうとしてる
「帰るのかよ海馬!!?おい、待てよ!!」
「言い忘れていたが」
「え」
「俺はこれから海外に長期滞在する予定だ。次に会うのは卒業式辺りになるだろう。今日の最後に言うつもりだったが・・・それも無くなったな」
「おい、待てよ!!!!」

海馬は聞く耳を持ってくれず
そのままハイヤーに乗り、行ってしまった
必死に追いかけたが、人間の足と車では、どう考えたって人間が追いつかなくなる


ふざけんなよ・・・
今日、お前と二人で誕生日を迎えるのをどんだけ楽しみにしてたと思ってんだよ・・・
お前がプレゼントくれるっていうから、一月の初め頃からずっとワクワクしてたのに

自分がもっと時間を気にしていれば
あの時遊戯たちの話に乗らなければ
少し時間に余裕がある、なんて調子に乗っていたせいだ
ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう!!!

自分の情けなさに腹が立って、どうしようもなくて、涙を流した

―――――――
桜散る、三月・・・
「城之内くん、元気ないね・・・」
「誕生日の頃からだね・・」
「やっぱ海馬君とケンカしたからよ」

「城之内君!本当に・・・ごめんね!あの時僕たちと話し込んでなければ・・・!!」
「いや・・・いいって、お前らのせいじゃねぇ・・・俺が・・・」
「城之内!!!」

パンッ!

教室に乾いた音が響き渡り、皆が注目する

「いつもでもウジウジしてアンタらしくない!!!」
「う、うるせーーーな!!!」

「海馬君、卒業式にはこっちに戻ってこれるそうよ」

「!!」

海馬が・・・

「本当か!!!」
「だから、ウジウジしてないで、仲直りしてきなさいよね」
「いつ、いつ戻ってくるんだ!」
「卒業式の一週間くらい前じゃないかしら」
それって・・・
「・・・明日じゃねえか!!」
「く、詳しくはわかんないけど・・・!」
「帰る!!!」
「え、今からホームルー・・・

遊戯たちが後ろで呼んでたけど、帰らなきゃ
もし、夜中に帰ってきたらどうすんだ!会うタイミング逃しちまう・・!

「・・城之内くん元気になってよかった」
「ほんとだね」


――――――
・・・・・
深夜、1時・・・
帰ってこねーじゃねーかー!杏子ー!

・・・明日かもしれない・・・
5時間は待ったぞ・・・

とりあえず今日は帰ろう・・・
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