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□Happy Happy バースディ!(微えろ
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海馬の部屋に到着する。
寒いところから暖かい部屋に来たばかりだから、海馬の鼻の頭が少し赤くなっている。
「ふへ、鼻赤いぜ」
「ム!うるさい」
ぐしぐしとごまかす様に鼻をこする。
「海馬、誕生日おめでとう」
急に言われ驚いた顔をする海馬。
「…ふ、フン」
室内だから躊躇無く、体を預けてきて
「だから今日は、貴様を帰さんからな。」
耳元でぼそっと言われてつい顔が赤くなる。
でもそれは俺のセリフだぜ。覚悟しとけよ。
「うん。」
自分より高い位置にある海馬の頬に手を添えて、そっと引き寄せる。
「ぁ・・・・・・」
海馬も少しだけ膝を曲げて、唇を合わせる。
「んっ、…」
舌を差込み、絡ませ、冷えていた身体などあっという間に熱くなっていく。
そのまま海馬のバランスを崩させ、後ろにあるベットに倒れるように海馬の体を押す。
ドサ、と柔らかい音と共に、海馬は背中からベットに倒れ込んだ。
「ゃ、やめ…だめ…だ…」
いつものように、弱い、全く抵抗にもならない形だけの抵抗を見せる。
俺の肩を押し返そうとする手を、楽にベットに押さえつけ、更に深く口付けた。
「んん、ん…」
力んでいた手首や指先から、ふにゃ、と力が抜けていくのが分かった。
海馬の頬がどんどん赤くなっていく。
角度を変えて、舌を激しく絡ませる。
「ぁ、ふ……///」
海馬は完全にいつもの情事の時のような声を出している。
「したい?」
ぼそっと誘うように言ってみる。
「ふ、ふざけるな・・・!」
「したい?したくない?」
「・・・ったく・・・な・・い・・・」
「何々?ちゃんと言って」
特に弱い耳たぶや、耳の裏にキスをする。
「んっ…ぁ・・・した・・・く・・な・・・」
「あ?よく聞こえない」
首筋にもキスを落とす。
「ぁ、あっ、ぼん・・こつ、」
「したい?どっち?」
「ッ・・・し・・・った・・・・・

ぐぅぅぅうううう〜〜〜・・・・

その時、盛大に腹の音が鳴ってしまった。
「あ"っ!?」
「・・・フッ!!ハハハハ!!!降りろこの凡骨が!!!」
「いってぇ!!!」
ちくしょーーーーーホントあと少しだったのに・・・
「・・・食べるか、鍋」
「ああ」
海馬がクッと笑っている
「笑うな!後でもう一回襲ってやる」
「フッ」
腹も減ったので、鍋の準備に取り掛かった。


「なぁ、上着脱げば?」
海馬は食ってる間も、断固として羽織っているコートを脱ごうとしなかった。
「また貴様が襲い掛かってきたらかなわんからな」
「食事中までンな事しねーよ!!盛りの付いたどーぶつか俺は」
「似たような物ではないのか?」
「ふざけんなーーー!!」
言い合いながら、思い出す。
そういえば、内ポケットに銃とか色々物騒なモンが入ってるんだっけ。
一応予想外の事態に備えて警戒してんのか、それとも癖なのか。

最後のうどんも食べ終わり、俺は冷蔵庫からお楽しみの物を取り出す。
「はい、これなーんだ」
ガサガサと、スーパーの袋ごと机の上に置く。
食べているときは向かい合っていたけど、さり気無く隣に座る。
「酒だろう」
「大当たりーー」
「俺は飲まんぞ」
それはダメだ。何のために買ってきたか分からない。
「なんで?」
「…さっき貴様に注意したが、俺も飲んだことが無いわけではない。だが、2,3口で体が火照ってき

て…我を忘れてグラス一杯飲み干してしまうと、記憶が飛んでしまう」
グラス一杯、という表現がいかにも金持ちらしい。
パーティーか何かで飲んだんだろうか。
でも、その話を聞いて、ますます飲ませないワケにはいかなくなった。
「大丈夫だって。これ、アルコール度数かなり低いから」
コップに注ぎながら、海馬の前に勧め、今すぐに飲めるようにする。
「飲まんと言っているだろう!」
「一口、一口飲んでみろって!」
「断る」
海馬は足を組んでぷい、とそっぽを向いてしまった。
「ふ〜ん。俺は余裕で飲めるのに」
海馬がピク、と反応する。
「なんだと」
やった。
海馬の負けず嫌いを、逆に利用する。
試しにコップ一杯を飲み干し、「ほら」と見せる。
「お前は飲めね〜の〜?一口も飲めね〜の〜??」
海馬がギリギリと歯を食いしばって、睨みつけてくる。
「調子に乗るなよ」
海馬が自分のコップを掴み、やはり警戒しているのかコクン、と軽く一口飲んだ。
やった!飲んだ!
でも、飲んだ後の海馬を見て、ヤベ、と思った。
顔が真っっっ赤。
ウソだろ。アルコール度2,3%のヤツだぞ。
こいつ、酒入りのチョコレートとかでも酔うヤツなんじゃ・・・。
「・・・ぅ〜〜〜〜」
すでにヨロつきながら、俺に持たれかかって来た。
「大丈夫か海馬?水、水」
と言いつつ酒を差し出す。
「ん・・・」
海馬の様子は更におかしくなっていく。
俺の首に腕を巻きつけ、必要以上にすり付いて来る。
ハァ、と興奮した海馬の息が、俺の首に当たる。やばい、やばい。これは想像以上だ。
「凡骨・・・」
その声は色気を帯びていた。普段の海馬からは想像も付かない。むしろ海馬とは思えない。
「な、何・・・どうした?」
俺も海馬の腰を引き寄せ、しっかり抱き寄せる。
「あつい・・・・・・」
「熱い?」
「ああ・・・」
「脱ぐ?」
「・・ああ・・・」
海馬がさっきから断固として脱がなかったコートを、簡単に脱がす。
「海馬・・・・・・」
「・・・・・・・・・。」
「・・・海馬??」
返事が無いので見てみると、もう眠そうにうとうとしていた。早っ!
「シャツも脱ぐ?」
「・・・・・・・・・?」
キチンと留めてあるボタンを、上から一つ一つ外していく。
右手で服を脱がし、左手で酒で熱くなった素肌を弄る。
「ん・・・・・」
ぼんやりとした声を漏らし、少し身じろぎする。
カチャカチャとベルトを外されているにも関わらず、海馬はぼやーっとしている。
そしてそのままスボンを半分くらい下ろしても何の抵抗も示さないので、本当に驚く。
「おい・・・海馬、本当に裸にしちまうぞ」
あまりにもあっけないので、逆に尋ねてしまった。
「今日は帰さんと・・・言っただろう・・・」
初めてちゃんと言葉を喋ったと思ったら、キスで唇をふさがれる。
「寝たのかと思った」
「それなら貴様も一緒にだろう?」
フン、と明らかに誘っている顔で笑われる。
「ベット行く?」
「ああ・・・・・」
海馬がくっ付いたまま離れないので、お姫様抱っこで行く。
「さっきの分も覚悟しとけよ」
「望むところだ」
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