幸せ家族計画U

□い
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「あ」



チャイムが鳴り、授業が始まったばかりで未だざわざわと騒がしい教室に、わざとらしく響いた声。

それにザンザスが隣の席を見れば、そこには鞄の中を見て固まった綱吉の姿があって。



「……」



おそらく次に彼がとるであろう行動がわかった彼は―これも今まで綱吉に振り回され続けてきた、腐れ縁だからこそできる芸当である―一人眉をひそめ、ため息をついた。



「スクアーロせんせー」



はい、と右手を上げ、教壇に立つ教師を可愛らしい笑顔で呼ぶ綱吉。

それにこの学校の数学教師でありながら綱吉率いる生徒会顧問でもある彼、スペルビ・スクアーロは―彼もザンザス同様よく綱吉に振り回されているものの、勘の良さは一向に身に付かない―どうしたんだとこちらを振り向いて。



「どうしたあ゛、綱吉ぃ」



「おやすみなさい」



「……は?」



そして綱吉は、夢の世界へと旅立った。






いけね、教科書忘れた。

(だからって即行寝る奴があるかあ゛あ!)(うるせえドカス、さっさと授業しやがれ)


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