幸せ家族計画U

□う
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「あ、おはよーツナ」



「あ、うん、おはよう。
……ところでさ。…何、やってんの?」



ある日の朝。

綱吉が一人登校すると―山本は部活、獄寺は珍しく風邪で休みだ―そこには自分の机を囲み何やら作業をしているクラスメイト達の姿があった。



「ん?ああ、お前の机に落書きされてたからさ。悪いけど雑巾使って消してた」



そう言ってクラスメイトの一人は、おそらく新品だったのだろうがインクで汚れて青くなった雑巾を見せて悪いなと謝る。

雑巾を使って悪いと謝る一方、しかしこれしかなかったんだから許せという彼に、綱吉は半ばぽかんとした状態で頷いて。



「別にそれはいいんだけど…」



「オーイ、綺麗なのもう一枚もらってきたぞ」



「ん、サンキュー」



とそこに、また一人クラスメイトがやってくる。

そして綱吉の姿に気がつけば、「よ、おはよ」と軽く声をかけて。

その手に持っていた新しい真っ白な雑巾を机を囲むクラスメイトに渡すと、彼は「あ、そうだ」と言って綱吉の方を振り返った。



「わり、ツナ。まだこの犯人捕まえられてねーんだ」



「え?あ、うん」



「でも高井達が探してっからさ、今日中には捕まえられると思う」



「はあ…」



つまり捕まえてはなくても既に誰がやったか分かってるんですね、なんてどこか他人事のように思いながら、綱吉は半ば放心状態でその言葉に頷く。



「ま、他の奴らも来たら手伝ってくれるだろーし、時間の問題だろ」



だから安心しろよ!と言ってまた机の方へと向かっていったクラスメイトをボーっとしたまま見送った綱吉は、しばしの間そのままの状態で。

やがてやってきたザンザスに声をかけられると、彼は苦笑のような、だけどどこか照れくさそうな表情で呟いた。






うちのクラスってこういうときはまとまるよね。

(はあ?)(おーいツナ、綺麗になったぞー)(ん、ありがとー)



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