幸せ家族計画U
□き
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「………………」
本日日直である雲雀綱吉は、日誌の昨日のページを開いた状態で、ピシリ、固まっていた。
「どうかしたのか?ツナ」
そんな彼を心配したのか、丁度通りかかった山本が声をかけるも、綱吉はそちらを見もしない。
その目が見つめるのはただ一点。
隅っこに落書きのごとく書かれた相合い傘だ。
相合い傘――それだけならば良い。
ちょっと古いななんて気もするが、誰々くんと恋人になりたいなんて言う乙女の小さな願いなら、別に良いのだ。
しかし、その傘の下に書かれた文字が問題だった。
「…………」
何度見ても、いつまでも見ても、変わらない文字。
左側には、“スペルビ・スクアーロ”。
右側には、“雲雀綱吉”。
「…ツナ?」
「綱吉?」
さすがに怪訝に思ったのか、再度名前を呼ぶ山本と、そして実はずっと隣の席にいたザンザス。
しかし綱吉は、彼らの問いには答えずに。
「……ねえ、山本」
昨日の日直って誰だったっけ?
(何でスクアーロが相手なの?そこはザンザスでしょ!)(突っ込むトコはそこか!!)(あはは!やっぱ二人は仲いーのなー)