幸せ家族計画Ⅱ
□ね
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「昨日の夜突然お隣さんが引っ越しの挨拶に来たのでせっかくだからと家にあがってもらったら意気投合しちゃって夜遅くまで語り合ってからそのまま学校に来ても勉強が頭に入らないと思ってぐっすり寝たらアラームが鳴ってるのに気がつかなくてもう間に合わないと思ったからゆっくり朝ご飯を食べてゆっくり家を出たら今にも産気づきそうな妊婦さんが目の前を通りがかりそうだったので病院に歩いて行くのは辛いだろうと考えてタクシーを呼ぼうと携帯を出そうとしたら家に忘れてて取りに帰ってました」
にこり、爽やかな笑みを浮かべて、教壇に立つピンクのジャージ姿の年配の教師―ちなみにテニス部の顧問の１人である―が何か言う前にノンブレスで言い切ったのは、２時間目も残り１０分程で終わろうかという時に教室の前側の扉から入ってきた幸村。
それに対しマシンガントークを受けた教師は、痛む頭を押さえ諦めたように深い深いため息を吐いて。
寝坊は寝坊。廊下で立っとれ。
(それを人は寝坊と言うんじゃないのかい？)(そうとも言いますね)