幸せ家族計画U
□ひ
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「まず数学でしょー、」
とある学校の教室にて。
「58点」
幸村が紙を一枚づつ掲げれば、
「んで次が化学」
「32点」
雲雀が小説片手に、興味無さげにその右上に書かれた数字を読み上げて。
「おや、元素記号が全滅ですね」
「はい次英語ー」
「89点」
そしてそれが、繰り返される。
「さすが半分外国人だよね」
「でもうっかりミスが多すぎですねぇ」
――とそこに、バタバタという廊下を走る慌ただしげな音が聞こえて来た。
「……おや。ディーノ、どうかしました?」
バン!と勢いよく開いた扉の向こうには、息切れをしたディーノの姿。
そして彼は、友人三人の視線を受けつつ口を開き――
「……………ひ、」
人の点数を勝手にばらすなー!
(いやだって暇だったから。ねえ骸)(ええ、精市くんの言う通りです。ねえ恭弥くん)(聞かれて恥ずかしい点数をとる君が悪いんじゃない?)