幸せ家族計画U

□ま
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とある中学校の生徒会室。

そこに集まっているのは、生徒会メンバー五名とその顧問であるスクアーロだ。

そのうちの一人、一年の頃からずっとこの学校の生徒会長を勤めてきた女子生徒、雲雀景が、生徒会長の机に肘をつき、組んだ手の上に顎を乗せた状態で他のメンバーを見回して。



「今日お前たちを集めたのは、他でもねえ。――次の生徒会長を紹介するためだ」



そう言って、ニヤリと王者の笑みを見せる景。

この学校では、次の生徒会長はその時の生徒会長が指名することになっている。

その時の副会長が、や、全校生徒の中で立候補者を募ってなどではなく、その時の生徒会長の一存で決まるのだ。

それはよっぽどのことがなければ選ばれた本人にも他の生徒達にも拒否権はなく、そして選ばれる対象はあくまでもこの学校の生徒ということだけであり、生徒会に入っていようがいまいが関係ない。

とはいえやはり普段近くでその働きを見ているからか、歴代の生徒会長達は生徒会に所属していた人間が多いのだが。



「それで?一体誰を選んだんだ」



生徒会副会長として景に任命されてから―相棒である副会長は新しい生徒会長が選ぶことになっており、こちらも滅多なことがなければ拒否権はない―三年間彼女を支え共に歩んできた手塚が、もったいぶる景に問いかける。

それに景は、ニヤリ、楽しげな笑みを浮かべ――





まとめ役っつったら、あいつしかいないだろう?

(何てったって俺様の弟だからな)(…ちなみに本人にはもう言ったのか?)(あーん?何言ってんだ、拒否権なんてあるわけねーだろ)(…どうせザンザスが副会長として巻き込まれんだろうなあ゛)



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