幸せ家族計画V

□ろ
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「オイ」



「ん」



「……」



「…綱吉」



「はい」



「………」



「んー」



「ホラ」



「ありがと」



「……………」



とある中学校の生徒会室。

そこで役員である彼らが、それぞれの机で個人で書類と睨めっこをするのではなく中央にある大きめの1つの机に皆が集まり作業していた時のことである。


特に何か会話をしているわけでもなく、また視線で示すわけでもなく、なのになぜか、ザンザスと綱吉の間では伝わっているようで。

作業を始めてからちょくちょく交わされる、資料を手渡したり交換したりといった二人のやりとり。



「……………」



「…ん?どうかした?獄寺くん」



「………、……いえ」



その様子を同じく生徒会役員である獄寺が思わず何か言いたげな表情で見ていれば、その視線に気づき手を止める綱吉。

そして首を傾げ尋ねられると、獄寺は何かを言おうとするように口を開くも、結局はそう言って首を振った。



「?」



それにますます綱吉が首を傾げれば、獄寺の隣で我関せずと作業を続けていた日吉が、手元から視線を上げることなく口を開く。



「長年連れ添った夫婦みたいだと思ってんだろ」



「バッ…日吉てめえ…!」



フン、と鼻で笑う日吉に、半ば反射のように声を上げる獄寺。

一方の言われた本人たちはといえば。



「……」



「夫婦…」



ザンザスは黙々と作業を進め、綱吉はポツリ、呟いて。

そしてにこりと笑みを浮かべ、ザンザスの肩をポンと叩いた。






老後はちゃんと楽させてよね

(……)(照れんなって〜)(…ドカスが)


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