幸せ家族計画V

□て
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「もう一回言ってみな?…その口、二度と開けないようにしてあげるから」



にこり、笑った顔はひどく優しいそれなのに――しかし彼の目は、少しも笑ってなどいなかった。










「また派手にやったなあ゛」



「……スクアーロ」



校内でも人気のない場所。

そこに立って冷めた目で地面に横たわる生徒たちを見下ろしていた綱吉は、後ろからかけられた声にそちらを振り返った。

そこにいたのは、タバコをくわえたスクアーロの姿。



「タバコ吸いに来たら思わぬもん見ちまったぜえ」



そう言ってニヤリ、意地の悪い笑みを浮かべるスクアーロ。



「校内禁煙だよ、不良先生」



「ケチケチすんな゛あ。だからちゃんとこうして人のいねえ場所まで来てんだろ゛ぉ」



「生徒会長としては、教師の校内での喫煙は見過ごせないな」



「だったら俺も生徒会顧問として暴力沙汰は見過ごせねえな゛あ、生徒会長さんよお」



片やタバコを吸いながら、片や壁に寄りかかって。

ぽんぽんと軽くかわされていく二人の会話は、地面に多数の生徒たちが倒れたこの状況ではある意味異質だった。



「で?少しは発散できたかあ゛?」



「…ま、少しはね」



そう言って、ヒョイと肩をすくめる綱吉。



「だったらいつもの気の抜けた笑い顔になってさっさと教室帰れえ」



「気の抜けたって。…酷いなあ」



そう言って苦笑を浮かべる綱吉は、スクアーロがこの場に来たばかりのような殺伐とした空気をまとってはいなかった。



「後片付けはしてやるっつってんだあ。さっさと行けえ」



「はーい」



スクアーロの言葉に返事を返し、その場を立ち去る綱吉。

彼の姿が見えなくなると、スクアーロはタバコの煙を吐き出しながら雲雀家をバカにしたことにより地に伏している生徒たちを見て。



「…あいつの逆鱗に触れるなんてな゛あ」



そう言い、タバコを足で踏み潰した後、もう一度綱吉の去っていった方を見て苦笑った。






敵に回したくない奴って、おまえみたいなのを言うんだろうなあ。

(まあそれは、)(雲雀家全員に言えることだろうがなあ゛)



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