幸せ家族計画

□お
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「お父さあん…」



「ど、どうしたんです!?」



夏休みも後半になったある日のこと。

くじぐしと涙をぬぐいながら助けを求めてきた綱吉とリョーマに、骸は何事かとあわてて二人に駆け寄った。



「どうしたんです?話してごらんなさい」



そう言って二人の目線にあわせるように座り、優しく頭を撫でてやる骸。



「あの、ね…」



それに未だ涙を目に浮かべたリョーマが、おずおずと差し出したのは――










「……で、そうやって夏休みの宿題を親父に全部押し付けたのか?」



夏休みも後半になったある日。

高校の宿題と中学の宿題、それぞれをリビングでやっていた亮と綱吉の二人は、昔話に花を咲かせつつもしっかりと手を動かしていた。



「失礼な!得意なのはちゃんとやったよ」



「でもほとんど親父にやらせて遊びに行ったんだろうがよ」



「父さん器用にリョーマと俺が間違いそうな所はちゃんとうっかりミスもしててさー」



そう言ってケラケラと笑う綱吉に、亮はため息一つ。

そういやあの日の夜は親父、なんかリビングで頑張ってたなあなんて思いだし、それと同時にその様子をあきれたように―しかし決して止めることなく―眺めていた母の姿も思い出した。



「いやあ、あれはうまくいったなあ〜」



そして自分の宿題を見ながら「今はやっぱり出来ないかなあ」なんて言う綱吉を見て、一言。



「…恐ろしい小学生だな」



まるでそれに同意するかのように、ミンミンと鳴くセミの声がいっそう大きくなった。






お父さんにどーんと任せなさい!

(何してるんだい?)(リョーマと綱吉の宿題です)(…それは、自分でやらないと意味ないんじゃない?)



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